中国業者から受け取った暗号資産で利ざや稼ぎ、朝鮮族2人・韓国人1人を書類送検 光州税関

 中国の代行業者(代工〈ダイゴン〉)に渡す資金を暗号資産で受け取った後、「ファンチギ」と呼ばれる違法な外国為替取引を行っていたグループが、韓国税関当局に摘発された。

 韓国関税庁光州税関は7日、暗号資産を利用しておよそ2500億ウォン(現在のレートで約280億ウォン。以下同じ)をファンチギした組織(朝鮮族2人、韓国人1人)を摘発し、外国為替取引法違反容疑で検察に書類送検したと発表した。光州税関によると、一味は2021年から今年1月までおよそ3年にわたり、中国のファンチギ業者からビットコインなどの暗号資産を、韓国国内の暗号資産取引所に他人名義で開設したデジタル・ウォレット・アカウントを通して受け取っていた。その後、受け取った暗号資産を現金(韓国ウォン)で引き出し、代工に韓国製化粧品・衣類などの購入資金として渡していた。調べによると、一味はファンチギの過程で、韓国国内の取引所の暗号資産価格が中国よりも高い、いわゆる「キムチプレミアム」を利用して月平均3000万ウォン(約340万円)の差益を得ていたことが分かった。

 光州税関は「ファンチギグループは100以上の内国人借名口座やキャッシュカードを利用していた」とし「深夜や未明の時間帯にATM機器を利用して、およそ3年の間に21万回にわたり、2500億ウォンの暗号資産売り渡し代金を引き出した」と発表した。

 代工などが中国の輸入業者から受け取った資金でもって、免税店などで韓国の産品を買い、中国へ送ることは違法ではない。ただし、中国の輸入業者が送金した中国元を代工が韓国ウォンに両替する手続きは、韓国政府が承認した金融機関(外国為替中継銀行)を通して行わなければならない。韓国関税庁は「暗号資産ファンチギも違法だが、銀行を経由せず無断で両替をしたこと自体が外国為替取引法8条(無登録外国為替業務)に抵触する」とし「このところ暗号資産取引が密輸など違法資金の新たなルートに進化しているだけに、為替犯罪を積極的に取り締まる計画」とコメントした。

キム・ジソプ記者

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  • ▲暗号資産を利用した違法外国為替取引の証拠品として押収されたキャッシュカードや現金。(光州税関提供)/ニュース1

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