事務総長はデータ抹消済みの公用携帯電話・PC提出、職員は書類改ざん…組織的な証拠隠滅【独自】 韓国選管採用不正問題

 選管は今回の監査でも資料提出に協力しなかったという。監査院が選管職員の親族が優遇採用されたかを確認するため、各地の選管に経験者として採用された職員の人事記録カードを要求すると、地域の選管は職員の家族関係や顔写真などをペンで黒塗りした資料を提出した。

 朴賛鎮元事務総長の前任者である金世煥(キム・セファン)元事務総長が選管内で「世子(跡継ぎ)」と呼ばれた息子の人事不正に関連する証拠をもみ消した状況も判明した。金元事務総長は在職中に選管から携帯電話とノートパソコンを支給され使用していたが、2022年3月に退任した際、それを返却しなかった。監査院が最近、金元事務総長が無断で持ち出した携帯電話とノートパソコンを確保して確認したところ、全てのデータが消えていたという。監査院は金元事務総長について、いったん選管の物品を横領した容疑を適用し、検察に捜査参考資料を送った。

 朴元事務総長の娘を不正採用した疑いが持たれている全羅南道選管の職員らは、監査が迫ると、関連文書ファイルを変造して摘発された。「外部の面接委員から点数欄を空欄にした評価表を受け取れ」などという不正の手口が書かれた文書ファイルだった。全羅南道選管職員は問題のファイルを開いて別の内容を入力し、上書き保存する方式で隠ぺいを試みたが、監査院が別の業務用パソコンを解析し、元のファイルを捜し出したことで容疑が明らかになった。

 ソウル市選管のシン・ウヨン元常任委員の子女の不正採用に関与した疑いが持たれている同市選管職員も監査前に関連文書を破棄して摘発された。問題の職員は選管による自主監察では「面接委員らにシン元委員の子女の家族関係を削除した人事記録カードを提供した」と虚偽の陳述を行ったという。監査院関係者は「選管職員が子女の不正採用など重大な人事上の不正に対し、『慣行』だからと大したことではないという態度を取ったり、関連証拠を隠ぺいしたりするなど監査に強く抵抗した」と説明した。

金耿必(キム・ギョンピル)記者

【グラフィック】韓国選管による組織的な証拠隠滅の事例

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【写真】中央選挙管理委員会の朴賛鎮事務総長(右)と宋奉燮元事務次長/聯合ニュース
  • 事務総長はデータ抹消済みの公用携帯電話・PC提出、職員は書類改ざん…組織的な証拠隠滅【独自】 韓国選管採用不正問題

right

あわせて読みたい