【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル大医学部・ソウル大病院の教授協議会非常対策委員会は24日に記者会見を開き、30日は救急、重症、入院患者を除き全面的に休診すると発表した。大学医学部の入学定員を増やすという政府の方針に反発した研修医は全国各地で医療現場を離脱し、病院に残る教授らは長時間勤務による疲労の蓄積を訴え、週1回休診する方針を固めていた。ソウル大教授らによる非常対策委員会はまた、医師数増加の必要性と医療改革に関する研究を進めるとし、その結果を2026学年度の大学医学部定員に反映するよう提案。それまでは定員増を見合わせるよう政府に呼び掛けた。
ソウル大医学部教授協議会のパン・ジェスン非常対策委員長はこの日、「政府の非合理的かつ独善的な政策策定・執行に対する抗議と、正しい医療改革に向けた政策の改善を要求するため、ソウル大医学部・ソウル大病院の教授は3月25日以降、自発的に辞表を提出しており、それぞれの提出日から30日が過ぎた時点からは各自の選択により辞職を実行する」と述べた。非常対策委の中心メンバー4人も5月1日で実質的に辞職すると明らかにした。
同氏は「韓国の医療が崩壊する状況」とし、研修医と医大生が現場に戻らなければ医療崩壊は5月から本格化するとの認識を示した。
現場に残る教授らは2カ月以上続く超長時間勤務で心身消耗が激しく、少しでも回復を図るため4月30日は救急、重症、入院患者の診療を除いては全面的に休診すると説明した。非常対策委によると、事前のアンケートでは過半の教授が賛同しており、各自がスケジュールを踏まえて休診するかどうか決めることになる。またパン氏は、定期的な休診に関しては5月に発足する次の非常対策委が話し合うとした。
非常対策委は、医学部定員2000人増を打ち出してから医療改革パッケージを推進しようとする政府の計画は順番がおかしいと指摘。医師増員の科学的かつ合理的な根拠を設ける必要があるとして、「医師と患者が幸福な医療システムをまず構想し、そのシステムづくりで医師がどれほど必要かを推計するシナリオをつくる」と表明。研究論文を公募し研究を進めるとしながら、これを2026学年度の医学部増員に反映するよう求めた。
この取り組みには8カ月から1年以上かかると見込み、その間は医学部増員計画の停止を求め、研修医や医大生には現場復帰を促した。
非常対策委のこの日の提案は、研修医や医大生らと合意した上での発表ではないという。