きのうは「民主有功者法案」を野党単独で採決、毎日暴走する共に民主党【4月24日付社説】

 韓国の進歩(革新)系最大野党「共に民主党」が23日、「運動圏(左派の市民学生運動勢力)セルフ特別待遇法」と呼ばれる民主有功者法案と、加盟店主に団体交渉権を付与する加盟事業法改正案を本会議へ直回付する案件を、国会政務委員会で単独採決した。保守系与党「国民の力」が委員長を務める法制司法委員会を迂回(うかい)しようとするもので、正常な法案処理とは言えない。国民の力は「議会暴挙」だとしたが、票決を防ぐことはできなかった。民主党は総選挙に勝利した後わずか1週間で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が既に拒否権を行使した糧穀法など5法案を常任委で単独採決した。それから5日後、またも2法案を押し付けたのだ。

【グラフィック】激しい政治対立に加えてねじれ国会

 民主有功者法は、民主化運動関係者本人はもちろん両親や子どもまで支援してやる法律だ。2000年以降、民主化有功者4988人が受け取った報賞金の額は1100億ウォン(現在のレートで約124億円)を超えるが、さらに韓国国民の税金をつぎ込み、その家族まで助けてやろうというのだ。この法律が制定されたら、放火で警察官7人を殺害した東義大学事件、運動資金を用意するとして武装強盗を働いた南民戦事件、罪もない民間人を「分派主義者」として追及し監禁・暴行したソウル大学民間人拷問事件の関係者らまで民主有功者審査の対象になる。加えて、有功者特別待遇を受ける対象者リストや功績は、個人情報という理由で秘密だという。一般的な国家有功者は資格があるかどうかを報勲審査委員会が審議・議決するが、「民主」有功者はこれすらも飛び越えられるようにした。民主党は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代にも同様の法案を出したが、2021年に自ら撤回した。国民の視線を恐れたからだ。ところが今回、総選挙で勝利するや、知らぬふりをして再び押し付けている。

 加盟事業法は、加盟店主らに労働組合のように団体交渉権を付与し、加盟本部は必ず応じるようにする法案だ。フランチャイズ業者らは反発し、主務部処(省庁に相当)である公正取引委員会も「加盟本部の負担が過度に大きくなりかねない」として反対した。このように相反する主張がぶつかる法案は、熟議が必要なのに、このところ韓国では熟議は姿を消した。

 民主党が2法案を処理した日、韓国国会では尹大統領と李在明(イ・ジェミョン)民主党代表との会合に先駆けて双方の実務会談が開かれた。表では「協治をしよう」と言いつつ、裏では問題法案を一方的に通過させた。民主党は「黄色い封筒法」、放送3法なども近々処理するつもりだという。党戦略企画委員長は「協治を頭の中から消そう」と言った。ならば、大統領との会談はなぜやろうというのか。

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  • ▲23日、与党・国民の力所属議員が出席しないまま開かれた国会政務委員会(委員長:白恵蓮〈ペク・ヘリョン〉議員)の全体会議で、加盟事業法(加盟事業取引公正化に関する法律)改正案と民主有功者法案(民主有功者礼遇に関する法案)を国会本会議に直回付する案件が可決されているところ。/李徳勲(イ・ドクフン)記者

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