ソン・フンミン選手の父「一人前になった息子に文句を言わない親が最高の親」

 これまで読んだ本の中で最も面白かったものを尋ねられると、司馬遷の『史記』を上げた。ソン氏は「話の内容が全て感動的だった」と語る。特に面白かった部分を問う質問にソン氏は「もう一度よく考えると、私の読書ノートと答えたい」「読書ノートも最終的には一冊の本ではないか」と笑いながら答えた。

 インタビュー集のある箇所でソン氏は「しんどくなることが即ち努力」と語っている。その意味についてソン氏は「しんどい状況が続くことは良い習慣ができることですよね。習慣は最初は薄っぺらいくもの巣のようですが、時間が過ぎれば鋼鉄のような鉄の棒になるからです」と説明した。常に内面を省察する求道者のような生活を送るソン氏。今の幸福を最も重視し未来に向けて準備しない「YOLO life」の考え方について問う質問にソン氏は「与えられた大切な命を、自分さえ良ければよいと考えてそんな無駄な生き方を…」とまで言ってしばらく言葉を選んだ上で「この世に生まれたなら、自分の家族にも前向きな役割を果たすべきだと思う」と述べた。

 ソン氏はメディアのインタビューを受けるたびに必ず聞かれることがある。それは「ソン・フンミン選手はワールドクラスですか」という質問だ。息子のソン・フンミン選手は世界最高の舞台であるイングランド・プレミアリーグで得点王になるほどの実力を持つが、ソン氏は息子が傲慢(ごうまん)になることを恐れており、そのため常に「ワールドクラスではない」と答える。今回の会見でも最後に同じ話題になった。ソン氏は質問を最後まで聞く前に「ワールドクラスではないから」と笑いながら強調した。ソン氏は「ボールを蹴るのがうまいだけでは駄目だ。人格も備えねばならない」とも述べた。「人格が足りないという意味か」との質問にソン氏は「ソン・フンミンは人格だけでなくボールを蹴る実力ももっと高めねばならない」と畳みかけるように指摘した。このように言葉は厳しいが、顔には笑みが浮かんでいた。この「父親としての笑顔」だけはどうしても隠せなかったようだ。

イ・ヨンビン記者

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  • ▲サッカー韓国代表のソン・フンミン選手の父親でSONサッカーアカデミー監督のソン・ウンジョン氏。ソン・ウンジョン氏は17日午前、ソウル市中区のフランチェスコ教育会館で開催された本人のインタビュー集『私は読んで書いて捨てる』の出版会見に出席した。/聯合ニュース

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