【TV朝鮮】(アンカー)北朝鮮偵察総局のハッカー集団が先日、韓国の外交安全保障専門家に政府機関を名乗るフィッシングメールを大量に送りつけ、情報を奪おうとしたことが分かりました。韓国政府のセキュリティーメールの書式がそのまま使用されていましたが、韓国では使われない北朝鮮式の言葉でその正体が分かりました。
イ・テヒョン記者の独自取材でお伝えします。
(記者リポート)
韓国国内で安全保障政策を研究するシンクタンクに勤務するAさんは今月初め、駐中韓国大使館職員を名乗る人物から1通のメールを受け取りました。
韓国政府のセキュリティーメール形式で送られており、政策懇談会への出席を要請する内容でしたが、実際は北朝鮮ハッカーによるフィッシングメールでした。
メールのリンクをクリックすると、パソコンがゾンビ化し情報が奪われるいわゆるスピアフィッシングで、最近韓国の専門家などに大量送付されています。
A氏はメールに記載された「インチャ」という珍しい言葉に疑念を抱き、韓国のあるセキュリティー会社に連絡しました。
北朝鮮用語辞典でこの「インチャ」という単語を検索すると、韓国語の「イネ(近いうちに)」を意味する北朝鮮の方言であることが分かりました。
セキュリティー会社はこのメールについて、北朝鮮偵察総局のハッカー集団「キムスキー」が送付したとにらんでいます。
非常に巧妙な悪性コードですが、日常的に使う言語習慣は隠せなかったようです。
文鍾顕( ムン・ジョンヒョン )/セキュリティー会社「イストセキュリティー」取締役
「今回の攻撃も対話の過程で単語が出てきました。日常使っている言葉なので、自分でも知らないうちにミスをしたようです」
これ以外にもウイルスを「ビールス」、誤謬(ごびゅう、韓国語ではオリュ)を「オユウ」、削除を「破壊」とするなど北朝鮮の言葉遣いが数多く発見されました。
国家情報院は「北朝鮮はAI(人工知能)を使って一連の言葉を修正しており、サイバー攻撃はさらに巧妙化している」として注意を促しています。
TV朝鮮、イ・テヒョンがお伝えしました。
(2024年4月21日放送 TV朝鮮「ニュース7」より)