【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が韓国に通じる二つの道路から照明灯を撤去していたことが18日、分かった。韓国軍関係筋によると、南北を結ぶ西側の道路・京義線と東海岸沿いの道路・東海線で先月、北朝鮮が数十基の道路照明灯を撤去する様子が韓国軍の監視装備に捉えられた。北朝鮮は1月、京義線・東海線道路に地雷を埋めており、両道路は事実上、封鎖状態となっている。
韓国と北朝鮮を結ぶ京義線・東海線道路は南北協力事業に活用され、南北の交流・協力の象徴と見なされていた。
韓国から北朝鮮・開城工業団地へ続く京義線道路は、2004年に南北間の連結工事が完了。開城工業団地に入居する韓国企業の関係者が主に利用していた。だが16年に開城工業団地が操業を停止し、20年初めに新型コロナウイルスの影響で同団地内にあった南北共同連絡事務所の韓国側職員も撤収すると、道路の利用は途絶えた。
韓国北東部から北朝鮮の景勝地・金剛山に至る東海線道路は05年に開通した。南北が観光事業を進めていたころは金剛山行きの観光バスが行き交い、北朝鮮向けの支援物資が輸送されることもあったが、ここ数年は利用されていない。
北朝鮮がこれら道路に地雷を埋設し、続いて照明灯までわざわざ撤去したのは、南北関係にもはや未練はないことを行動で示したといえそうだ。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は昨年末の党中央委員会総会で、南北関係を「敵対的、交戦中の二つの国家関係」と定義。今年1月15日に開かれた最高人民会議(国会に相当)の演説では「北南交流協力の象徴として存在していた京義線のわれわれ側区間を回復不可の水準まで物理的に完全に断つことをはじめ、境界地域のあらゆる北南連携条件を徹底して分離させるための措置を厳格に実施しなければならない」と述べた。