韓国の今回の総選挙では、進歩(革新)系政党の正義党も国民の審判を受けた。「緑色党」と連合した「緑色正義党」は、選挙区に17人の候補を出したが、シム・サンジョン代表など全員が落選した。比例代表の投票でも2.14%の得票にとどまり、1議席も得られなかった。6議席を有する院内第3党から「議席ゼロ」の院外政党へと追いやられてしまったのだ。正義党は2012年の結党から今年で12年になるが、「議席ゼロ」は初めて。ルーツである民主労働党の04年10議席までさかのぼると、この20年で初ということになる。今回、正義党は選挙区と比例区における得票の平均が1%台にとどまり、政党補助金も一切受け取れなくなった。韓国国民から退場命令を受けたようなものだ。
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正義党の没落は、同党が自ら招いたものだ。2019年、偽善と反則が発覚した曺国(チョ・グク)法相に対し、最初は反対の立場を取っていたものの、一転して賛成に回った。実は、民主党が望んでいる高位公職者犯罪捜査処の新設と正義党に有利な選挙法を取引する「野合」をしたのだった。継ぎはぎの選挙制度を作っておいて、シム・サンジョン代表は「国民は知らなくてもいい」と言い放った。これに青年層が反発すると、兵士の月給引き上げでなだめようとした。肝心の2020年総選挙では、比例用衛星政党をつくった民主党のせいで6議席を得るにとどまった。
正義党代表は21年、同党議員に対するセクハラの事実が発覚するや、すぐに辞任した。ところが正義党は、朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長のセクハラ問題のときは、党レベルで朴元淳弔問を強要するかのような姿勢を見せ、「セクハラ加害者擁護党」と批判された。奴隷と変わらない北朝鮮住民の人権にも沈黙した。民主党の「検捜完剥」(検察捜査権完全剥奪)強行時も、最初は「同意し難い」と反対していたのに、いざ票決となると一転して全て賛成し、「民主党第2中隊」の役割を担った。一時は少数の声を代弁して少なからぬ支持を集めてもいた正義党が、正義を捨てたのだから、没落は必然だった。