水原容疑者はさらに、大谷選手の口座から違法ブックメーカーに送金した後、銀行に電話をかけ、大谷選手の個人情報を告げて同選手のふりをし、送金を承認するよう言ったこともあるという。こうした通話内容は録音されており、捜査官がこれを証拠として確保した、と米連邦検察は説明した。また、今年に入ってからは大谷選手の口座の金でベースボールカード約1000枚を買うのに32万5000ドル使ったこともある。大谷選手は今回の捜査過程で携帯電話を提出し、「水原氏に口座を管理するよう許可したことはない」と述べた。捜査当局は「大谷選手が水原容疑者の違法賭博や送金を事前に知っていたという証拠は見つからなかった」と言った。
今回の捜査では、大谷選手の代理人や経理担当者の業務処理があまりにも緩かったことが明らかになった。代理人や経理担当者はしばしば、「大谷選手の年俸口座を点検しよう」と同選手側に提案したが、水原容疑者が「大谷選手のプライベートだ。大谷選手が望んでいない」と言って拒否すると、これをそのまま信じて追加措置を取らなかった。大谷選手の代理人を務めるネズ・バレロ氏は今回の捜査過程で、「大谷選手と一度も直接話したり、メールなどでやり取りしたりしたことはない。常に水原容疑者を通じてコミュニケーションしていた」と語った。現地の専門家らが「通訳だけではなく、代理人も解雇すべきだ」と助言したのもこのためだ。現地メディアは「大谷選手は野球以外ではあまりにも純真(naive)な人生を送ってきた」と指摘している。
水原容疑者は先月21日の米大リーグ開幕戦ソウル・シリーズ中にドジャースを解雇されて以降、行方が分からなかったが、韓国から直ちに米カリフォルニアに戻り、捜査を受けていたと報じられた。現在は弁護士を交えて連邦検察と司法取引の交渉を行っているという。「交渉次第では水原容疑者は懲役刑ではなく、罰金刑のみになる可能性もある」とみている日本のメディアもある。
ペ・ジュンヨン記者