祖国革新党・曺国代表が夢見る「祖国」とはどのような姿なのか【コラム】

「選出職に関心はない」と言っていた曺国氏
控訴審で懲役2年の刑を受けても出馬…かつての彼であればやらなかっただろう
革新は国ではなく曺国氏本人から

 その後、曺代表の身に起きたことは、よく知られている通りだ。入試不正、青瓦台(当時の大統領府)監察もみ消しなどの容疑で起訴され、控訴審でも懲役2年の刑を言い渡された。入試不正だけでも妻の鄭慶心(チョン・ギョンシム)教授は3回、曺代表は2回、娘のチョ・ミン氏は1回と、一家合わせて6回の裁判を受け、全て有罪だった。裁判は、曺氏一家を指して「真実を語る人々に精神的苦痛を与えた」と批判した。それにもかかわらず、曺代表は「非法律的名誉回復をしたい」と称し、自分の名前と同じ発音の祖国(チョグク)革新党を作り、国会議員選挙に出馬した。似たような境地の被告人、被疑者を比例代表候補として公認した。国会議員は個人の名誉回復や復讐(ふくしゅう)のための道具ではない。法学者である曺代表が、誰よりもよく知っているだろう。

 曺代表は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権早期終息」「任期短縮改憲」を主張する。いくら尹錫悦大統領に間違いが多いとしても、任期が3年以上残っている政権を覆そうとするのは、有権者に対する冒とくだ。国民のため、国のため、どちらにとっても不幸なことでしかない。本当に国を心配している人間であれば、こんな主張はできない。それにもかかわらず「チョグク党」は、各種の比例代表世論調査で25%前後の支持率を集めている。「反・尹錫悦、非・李在明」が結集した結果だろう。曺代表の当選は確実とみられる。

 彼が党を「祖国革新党」と名付けたのは、韓国を革新したいという意向からのはずだ。曺代表がつくりたい国は、どういう姿なのかと尋ねたい。不公正とネロナムブルが日常の国、犯罪者が国会議員になっても異常ではない国、国民が選んだ大統領を攻撃して座り込ませる国が、曺代表の夢見る国か。かつての曺代表であれば、「違う」と答えただろう。革新は反省から始まる、と言った。曺代表は自らに問うてみてほしい。今の自分の姿に満足しているか。大韓民国ではなくまず自分を革新すべきではないのか。

黄大振(ファン・デジン)論説委員

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  • ▲祖国革新党の曺国代表が4月4日午後、ソウル市竜山区の孝昌公園駅近くで開かれた「検察独裁早期終息、ソウル市民と共に」イベントに出席し、あいさつをしているところ。/ニュース1

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