【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル市は8日、中国の電子商取引(EC)サイトで販売されている子ども向け製品から有害物質が検出されたことなどを受け、安全性検査の実施や被害の申し出を受け付けるコールセンター設置などの内容を盛り込んだ安全対策を発表した。
同市が先月、中国のEC大手アリババグループ傘下の「アリエクスプレス」で売り上げ上位の子ども向け用品と生活用品31製品について安全性を調査した結果、8製品から基準値を大幅に上回る有害物質が検出された。
子ども用の革製かばんからは、「フタル酸系可塑剤」4種が検出され、その合計は基準値の55.6倍に達した。
プラスチックを加工する際に使われるフタル酸系可塑剤には不妊を誘発するなどの毒性があり、このうちフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)は世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関が発がん性の可能性があると明らかにした物質だ。
韓国消費者の昨年の海外通販での購入額は6兆8000億ウォン(約7630億円)で、前年比28.3%増加した。購入先はこれまで米国が主流だったが、中国ECサイトの攻勢により昨年は中国の割合が48.7%と半分近くを占めた。
急成長しているアリエクスプレスの2月の月間アクティブユーザー数は818万人に上り、韓国インターネット通販大手、クーパンに次いで国内2位に浮上。先ごろ韓国市場に参入したTemu(ティームー)も急速に勢力を伸ばしている。
ソウル市は今回の調査結果を基に、海外ECサイトで販売されている製品の有害性を集中的に調査し、消費者保護対策を推進する方針だ。
なかでも、中国のアリエクスプレス、Temu、SHEIN(シーイン)を中心に常時安全性検査システムを稼働する。
ソウル市の担当者は、海外通販サイトの製品は韓国の安全基準を満たしておらず、被害が発生する恐れがあるとして「専用コールセンターの設置と常時検査システムの構築によって消費者の被害を最小化するよう努力する」と述べた。