また、香港とウイグルでの人権弾圧、脱北者の強制送還、習近平体制の「戦狼外交」、中国発の大気汚染、中国産食品をめぐる安全性問題も重なった。
韓国人が中国語を勉強して、良い仕事を見つけることが難しくなったことも理由だ。韓国に80万人以上いる中国同胞(朝鮮族)が、中国人向けの観光ガイドなど単純職を独占している。一方、中国国内の人件費が上昇したほか、技術力も向上し、韓国の中国に対する参入障壁は大幅に高くなった。
中国語学科を卒業し、中国留学までしたHさん(31)も、2017年の韓流禁止令の影響で中国就職の道が閉ざされた。Hさんは帰国しても専攻を生かすことができず、韓国ポリテク大のエネルギー設備科に再入学し、現在は公共機関の技術職を務めている。外国語大学や通訳・翻訳大学院を出た中国語の高級人材も大企業への就職の門が狭くなり、中小企業に目を向けざるを得なくなっている。
中国に長期滞在する企業・政府機関の駐在員も子女が中国語を学ぶことを敬遠するほどだ。ある駐在員は「子どもたちを北京の英語幼稚園やインター校に送るために大金を使っている。中国人脈と中国語能力に将来的価値がないと考えているからだ」と話した。家族を韓国に置いて単身赴任するケースも多い。
■「ノージャパン」は下火に
中国語忌避は世界的な現象だ。中国を最大の防衛相手国とするオーストラリア、ニュージーランドも中国語専攻者が7~8年で半減した。インド政府は国境紛争の影響で中国語を奨励外国語から除外した。
英誌エコノミストは「過去には中国の台頭を受け、米オバマ政権は『学生100万人が中国語を学ばなければならない』と言ったほどだった」とした上で、「中国エンターテインメント業界は共産党を喜ばせるために海外では人気がなく、ソフトパワーが弱まり、中国語の魅力も低下した」と分析した。
一方、韓国では記録的円安による日本旅行の増加、日本のゲーム・映画に対する着実な人気ぶりで日本語学習者が増えている。韓国国内14のポータル・ソーシャルメディアの昨年の情報量ビッグデータを分析したところ、日本語の情報量が前年比10%増の約145万件で圧倒的なトップだった。2位の中国語は約82万件だった。
2019年に徴用工問題で韓国大法院が賠償判決を下したことに伴う日本の輸出規制で「ノージャパン」運動が起き、昨年の福島原発からの処理水放流が反日感情の火種にもなった。しかし、反中感情があまりにも大きいほか、韓日が互いに文化的好感を抱いている点、安全保障上の連帯の必要性などから交流が拡大し、「ノージャパン」は事実上無意味になった。
「謝謝」発言の李在明代表は「今回の総選挙は(親日政権を審判する)韓日戦」だとも語った。落ち着いてもらいたい、外国勢力を巻き込んでいたら大変なことになる。選挙は韓国語で行うものなのだから。
鄭始幸(チョン・シヘン)記者