祖国革新党の曺国(チョ・グク)代表が選管に申告した財産は53億7700万ウォン(約6億円)だ。曺代表が法務部長官を辞任し、2020年1月に申告した財産は53億4800万ウォンだったので、4年間で約3000万ウォン増えたことになる。
その間に妻のチョン·ギョンシム氏は懲役刑を受けて服役し、曺代表自身はソウル大学の教授職を解任された。庶民ならば1件だけでも巨額な弁護士費用で破綻する刑事裁判を家族が4年間にわたり争っているにもかかわらず、財産はむしろ増えた。
妻は刑務所で支持者から2年間で領置金(刑務所内で日用品の購入などに使用できる資金)2億4000万ウォンを受け取った。夫は著書のイベントであるブックコンサートを開き、書籍販売で印税だけ年間2億7800万ウォンを受け取っている。夫婦は定職に就いていた当時よりも収入が増えた。支持者のカネを裁判費用に充て、貯蓄までしている格好だ。
祖国革新党は選挙費用として支持者7078人からわずか54分で223億ウォンを集めた。それだから、同党の比例代表名簿1位の朴恩貞(パク・ウンジョン)候補(元法務部監察担当官)の財産が1年間で41億ウォン増えたことについて、曺代表は大したことではないという言いようだ。曺代表は「(元官僚に対する)優遇があったようには見えない」と述べた。その程度は支持者からいつでも集められる資金だと感じられたのだろう。
朴候補の夫である李種根(イ・ジョングン)弁護士は、検事長出身の経歴を前面に出し、マルチ詐欺犯の弁護1件だけで受任料22億ウォンを受け取った。「夫が元官僚としての礼遇を受けたならば、160億ウォンは稼ぐはずだった」という朴候補の釈明はさらに衝撃的だ。一般庶民は夢にも考えられない金額だが、祖国革新党の支持者は「能力でカネを沢山稼ぐことも罪なのか」というムードだ。同党のウェブサイトには「朴候補を応援するためにきょうも厳しい中で後援金を送る」という書き込みが見られる。
前政権でも熱烈な支持者はいた。彼らは資産格差を最大化させた文在寅(ムン・ジェイン)政権の不動産失政のせいでソウル市内から京畿道に押し出されても、広域バスでソウルに通勤し、帰路に「金於俊(キム・オジュン)のニュース工場」を聴く姿に象徴される。金於俊氏が荒廃させたソウル市系ラジオ局TBSの局員は整理解雇されているが、金於俊氏はユーチューブに看板だけ移し、依然として追従者から支援を受けている。
このような過激な支持者層の間では「曺国が行くべきなのは国会ではなく刑務所だ」という常識は存在し得ない。年内に大法院の判決が確定すれば、曺代表は2年間服役することになるだろう。5年間被選挙権が剥奪され、2027年の大統領選に出馬することもできない。それでも親曺国陣営は総選挙後の「大統領候補・曺国」を取り沙汰する。急変する韓国政界で8年後の2032年の大統領選を論じているのだろうか。
終わりが見えない個人の政治的報復のために、曺代表は今も支持者の耳目をだましている。今回の総選挙に出馬した国家革命党の許京寧(ホ・ギョンヨン)代表は支持者から集めた481億ウォンの財産を公開した。曺国は許京寧の道を歩もうとしているのか。
朴国熙(パク・ククヒ)記者