北朝鮮の人権問題に強い関心を示してきた英国の上下院議員らが3月26日「勿忘草バッジ」を着けて議会に集まった。勿忘草バッジは「北朝鮮に拉致・抑留された被害者とその家族の苦しみを忘れない」を意味し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領も先日このバッジを着けて被害者家族らと面会した。勿忘草の花言葉は「私を忘れないで」だ。
英国議会の北朝鮮関連超党派グループ(APPG NK)所属議員らは3月26日午後、ロンドンのウェストミンスターにある国会議事堂に集まりバッジの使用を呼びかけた。グループの共同議長を務めるジェフリー·クリフトンブラウン下院議員、デビッド·オルトン上院議員、共同副議長のキャサリン・ウェスト下院議員、ソニー・レオン上院議員、元共同議長のフィオナ·ブルース下院議員らが行事に参加した。
APPG NKは英国議会で北朝鮮政権による人権弾圧や核開発への関心を高めることと、その対策を検討するため2000年に発足した。与党の保守党はもちろん、野党の労働党議員も含めメンバーは20人だ。脱北民のティモシー・チョさん(37)が事務局長を務めている。
APPG NKはこの日北朝鮮抑留者送還を求める声明を発表し「弾圧を受け、迫害されている2600万人の北朝鮮住民のため韓国政府と連携する意味から勿忘草バッジを着用する」「抑留者が愛する家族と再会できるよう北朝鮮当局に対して即時解放を求める」と訴えた。
今回の行事は、韓国統一部(省に相当、以下同じ)の金暎浩(キム・ヨンホ)長官が英国議会に北朝鮮抑留者送還に向けた連携を呼びかける書簡に加え、勿忘草バッジを送付したことで開催に至ったという。勿忘草バッジは拉致被害者問題への関心を高めるため2000年代に最初に制作され、2011年ごろから拉致被害者家族協議会を中心に韓国国内で広がり始めた。当時の金滉植(キム・ファンシク)首相や金星煥(キム・ソンファン)元外交部長官らが着用したことで一般にも知られるようになった。
海外では英国と英連邦諸国で第1次世界大戦の犠牲者を忘れないという意味から勿忘草バッジを着用していたが、現在は英国の戦没者追悼記念日などに追悼のシンボルとしてポピー(ヒナゲシ)を胸に着けるのが一般的だ。
パリ=鄭喆煥(チョン・チョルファン)特派員