【ソウル聯合ニュース】韓国で昨年発生した水害の行方不明者を捜索中だった海兵隊兵士の殉職事件に絡み、捜査に圧力をかけたとして職権乱用の疑いで捜査を受けている前国防部長官の李鐘燮(イ・ジョンソプ)駐オーストラリア大使が29日、辞意を表明した。李氏の代理人が記者団に明らかにした。
李氏は昨年9月に職権乱用などの容疑で高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に告発された。告発を受け、法務部は李氏の出国を禁止したが、今月4日に駐オーストラリア大使に任命されたことを受け、禁止措置を解除した。李氏は赴任のため同10日に出国。最大野党「共に民主党」は「容疑者を逃避させた」などと強く非難した。4月10日の総選挙を控え、与党「国民の力」の一部からも世論の悪化を懸念し、李氏の辞任を求める声が出ていた。
李氏は防衛産業協力に関連した公館長会議に出席するため、21日に一時帰国している。
同氏は「公捜処に早く聴取してほしいと要求してきたが、公捜処はまだ期日を決めていない」と指摘。「ソウルに残り、すべての手続きに最後まで強く対応する」として、辞意を表明したのは捜査を受けるためだと明らかにした。