<疑問3>大谷選手のスポークスマンや弁護士は知っていながら伝えていなかった?
ESPNをはじめとする米メディアは、この事態が外部に伝わる前に大谷選手側に対して何度も問い合わせをした。大谷選手側は「水原氏が通訳という役割を悪用して、これを伝えていなかった」と説明する。だが、ESPNは、大谷選手側のスポークスマンが当初、「水原氏が違法賭博をし、大谷選手がその借金を肩代わりした」「水原氏との電話インタビューまで手配してくれた」と報じた。いくら大谷選手が英語に堪能ではないとしても、彼らがこのような深刻な事案について、大谷選手と一度も相談しなかったというのは納得できない、という声が多い。
<疑問4>後で大谷選手と水原氏が口裏を合わせた?
米現地では、「大谷選手は『賭博の借金を肩代わりするのは特に問題ない』と考えて対応したものの、後になって法律上の検討を経て、『問題が大きくなるかもしれない』と考え、口裏を合わせたのではないか」という見方が少なくない。大谷選手側が水原氏を解雇した21日未明、ESPNが水原氏に「大谷選手に対して、記者たちの質問や今回の件に関することを伝えなかったことはあるか」と質問すると、水原氏は「決してそのようなことはない」と答えたと書いている。そして、水原氏は「これについては、これ以上話すなと言われている」とも言った。
<疑問5>大谷選手は今回の件で処罰される?
米国でスポーツ関連の違法賭博をして摘発されれば、1年間の選手資格停止や永久除名になる恐れがある。では、違法賭博の借金を肩代わりした場合は大丈夫なのだろうか。米国の専門家らは「賭博の借金であることを知らずに送金したとすれば大丈夫だが、知っていながら送金したとすれば違法賭博を援助・ほう助したとして処罰を受ける可能性がある」と言った。これに加えて、そのお金の用途に「ローン」と虚偽記載したという当初の報道が事実ならば、虚偽申告で懲役刑になる恐れもある。米移民法により文書改ざんや偽証で1年以上の刑を受ければ、ビザ・永住権取り消しまたは国外追放もあり得る。刑事処罰とは別の選手に対する懲戒処分はMLB事務局の所管だ。最近の大リーグはドメスティックバイオレンス(DV)や麻薬などの違法行為に対して厳しく懲戒処分をする傾向にある。「無罪ならともかく、一部の容疑でも事実であることが明らかになれば、大谷選手も一定期間の出場停止は避けられない」というのが専門家たちの意見だ。
ペ・ジュンヨン記者