【ソウル聯合ニュース】韓国で昨年、自殺を図り救急外来を受診した患者は、30歳未満の若者が43%を占めたことが分かった。国民意識調査では、一度でも自殺を考えたことがあると回答した割合が14.7%で、「経済的な困難」を理由に挙げた人が多かった。保健福祉部が28日、自殺に関する実態調査の結果を公表した。
保健福祉部は5年ごとに自殺の実態を調査している。2013年と18年に次いで今回が3回目。昨年8月25日~10月8日に2807人の成人を対象に実施した意識調査の結果と、昨年自殺を図り救急外来を受診した3万665人の分析結果をまとめた。
◇国民の14.7%「自殺考えたことがある」
自殺に関する意識調査によると、一度でも自殺を考えたことがあると回答した人の割合は14.7%だった。女性は16.3%、男性は13.1%だった。全体としては18年の前回調査に比べ3.8ポイント低下した。
自殺を考えた理由(複数回答)は「経済的な困難」(44.8%)が最も多く、「家庭生活の困難」(42.2%)、「情緒的な困難」(19.2%)と続いた。
自殺を考えたことのある人のうち41.1%は助けを求めたことがあると回答した。7.9%は専門家に相談した経験があり、この割合は5年前の調査に比べ3.1ポイント上昇した。
◇自殺企図者の29.4%が19~29歳
自殺企図者の事後管理事業に参加する85の医療機関では昨年、3万665人が自殺を図ったことにより受診した。このうち女性が64.8%、男性が35.2%だった。
年齢層をみると19~29歳が29.4%、18歳以下が14.0%と、30歳未満が43.4%を占めた。30代も13.9%と多い。次いで40代が13.4%、50代が11.7%、60代が8.1%、70代が5.0%、80歳以上が4.6%だった。
全体の31.2%が飲酒していた。
診察時に精神健康医学分野の治療有無を尋ねたところ、41.9%が治療中と分かった。全体の42.9%は身体的に健康な状態だった。
自殺を図った動機は「精神的な問題」が33.2%で最も多い。次いで「対人関係の問題」(17.0%)、「言い争い、けんか、しかられた」(7.9%)、「経済的な問題」(6.6%)などが挙がった。
自殺企図の手段は「毒物の服用」(53.1%)、「鈍器や鋭器」(18.4%)、「農薬」(18.4%)、「ガス中毒」(5.3%)などだった。