暴走する革新中年を見て、20~30代は戸惑う。「いったいオヤジたちどうしたのか?」「受験生を育てていながら、曺国を支持するなんておかしくないか」――。体は衰え始めても、胸を高鳴らせる中年層のことを若年層は「革新大学生」とあざ笑い、年配の人たちも「ヤングフォーティー(若いふりをする40代)」と舌打ちする。
■空腹を知らないX世代
通常40代は資産を蓄え、子どもを育てながら安定を求め、保守化が進むという年齢効果(エイジエフェクト)が表れる時期だ。ところが、韓国の40~50代は年齢効果に逆行しており、専門家は「初の変種世代」だと診断している。
現在の40~50代は第2次ベビーブーム世代だ。40代の人口は792万人、50代は869万人で、全ての年齢層で最も数が多い。30代の657万人、20代の619万人、10代の465万人、10歳未満の333万人と減っていく次の世代を圧倒する。組織と社会の中軸を成す40~50代は、60代、70代になっても、引き続き韓国の政治・社会情勢を揺るがす可能性が高い。
40~50代は青少年期から明確な世代的特性を共有してきた。1970年代初めから1980年代初めにかけて生まれ、産業化の果実が蓄積された80~90年代の高度成長期と民主化の恩恵を享受して成長した。「檀君による建国以降初めて空腹を知らない世代」と言われる。
彼らが中学・高校に通い、大学の新入生だった1992年、アイドルグループの「ソテジワアイドゥル」がデビューした。そのファン層は脱理念、脱権威、個人主義と表現の自由が爆発した時期に「私たちはそれまでの世代とは違う」という新人類の文化独立宣言を行った。
1990年代には大学進学率が2倍になり、国際化・情報化で海外への語学研修とバックパッカーが流行した。「千里眼」「ハイテル」など初期のインターネットコミュニティーができ、同年代と情緒的経験を素早く共有することができるようになった。当時10~20代は世間が規定できない独自の存在という意味で「X世代」と呼ばれた。