【ソウル聯合ニュース】韓国で4月10日投開票される総選挙(定数300、任期4年)まで残すところ半月となった。定数254の小選挙区について、26日の時点で保守系与党「国民の力」は82区、革新系最大野党「共に民主党」は110区でそれぞれ勝利を見込んでいることが分かった。無所属または小政党が優勢とみられる選挙区を除いた残りの約60区に関し、二大政党いずれも優勢と判断しておらず、候補者登録直後の情勢は大混戦といえる。
国民の力と共に民主党はそれぞれ現在の情勢を「優勢」「競合優勢」「競合」「競合劣勢」「劣勢」に分類した。これは各党の選挙戦略単位の独自分析やメディアの世論調査、政党支持率などを基に分析したもので、各党内の判断基準とは異なることもあり得る。
4年前の前回総選挙の小選挙区では、当時最大野党だった未来統合党(国民の力の前身)が84議席、与党だった共に民主党は163議席を獲得した。これに比べると、両党とも現時点では「優勢」判断に慎重な姿勢を示している。
国民の力の選挙対策委員会関係者は「与党になったからといって安心できる状況では決してない」とし、「首都圏の壁は依然として高く、『裏庭』と自信をもって言うには、釜山・慶尚南道もぐらついている」と語った。
共に民主党の選挙対策委員会戦略本部の関係者は「比例代表の議席を合わせ、安定的に確保できる議席は120議席で、第1党も不透明な状況」と話した。互角の選挙区が多く、最後まで勝敗の見極めは難しいとの見方を示した。
◇首都圏は最大野党が優位か
両党の選挙関係者らから地域別の情勢を聞き取りしたところ、首都圏の122議席に対し「優勢」または「競合優勢」と判断した数は国民の力が20、民主党は97だった。前回総選挙での獲得数は国民の力が16、民主党が103。
ソウル市の48議席をみると、国民の力は10区、民主党は25区で「優勢」または「競合優勢」を見込む。残り13区は接戦を予想しているようだ。
京畿道の60議席では、国民の力が7区で「優勢」または「競合優勢」としながら、さらに水原と竜仁の一部でも勝利に期待を寄せる。共に民主党は現役議員が選出された51区の多くで議席を守ることが可能とみている。
仁川市の14議席は、国民の力が2区で「競合優勢」、共に民主党は現役議員のいる11区で「優勢」と見込んだ。
◇保守の地盤・南東部は接戦
南東部の釜山・蔚山・慶尚道は勝敗の見通しが立てにくい。伝統的に保守の地盤とされるが、共に民主党の現役議員がいる地域と慶尚南道・昌原の一部地域は接戦が予想される。
国民の力は釜山のうち7区と慶尚南道のうち13区を「優勢」または「競合優勢」と判断した。共に民主党は現役議員がいる釜山の2区が「優勢」、釜山の1区と慶尚南道の6区が「競合優勢」とみている。
中部・忠清道の28議席については、両党互いに過半数の獲得を見込んでいる。
◇国民の力は南東部と江原道 共に民主党は南西部で勝利予想
両党いずれも牙城での勝利を予想する。国民の力は大邱・慶尚北道(15議席)のうち13区を「優勢」と見なし、江原道(8議席)も現役議員のいる6区の議席を守ることができるとする。
共に民主党は光州と全羅北道、全羅南道(28議席)の全選挙区獲得に自信を見せる。済州では同党が「優勢」2区、「競合優勢」1区としたのに対し、国民の力が「優勢」または「競合優勢」とする区はなかった。