韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表による中国への「『謝々(シエシエ)』(中国語でありがとうという意味)発言」で、来月10日の韓国国会議員総選挙を前に「中国イシュー(問題・論点)」が浮上しつつある。与党・国民の力は李在明代表に対して「中国屈従」と猛攻撃を展開し、総選挙で勝利すれば韓国に居住する外国人の地方選挙投票権を制限すると明らかにした。地方選挙の投票権を持つ外国人永住権者約12万人のうち、約10万人が中国人であることを考慮し、中国が韓国の政治に及ぼす事実上の影響力を制限しようということだ。中国に居住する韓国人は現地の投票権がなく、外交相互主義に反するとの指摘があるためだ。国民の力は昨年6月からこうした姿勢を崩していない。
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国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は24日、「一昨日の李在明代表の『謝々』発言で、共に民主党の中国に対する屈従認識があらためて確認された」と述べた。李在明代表は22日、韓国政府の対中外交を批判し、「(尹錫悦〈ユン・ソンニョル〉政権は)なぜ中国にちょっかいを出すのか。ただ『謝々(シエシエ)』と、台湾にも『謝々』と言っておけばいいのに」と言った。李在明代表はこの時、「西海(黄海)守護の日」の記念式に出席せずにこのような発言をしたため、批判を招いた。西海守護の日とは、北朝鮮との第2延坪海戦(2002年)、哨戒艦「天安」沈没(2010年)、延坪島砲撃挑発(2010年)で犠牲になった兵士55人を追悼する記念式だ。
韓東勲委員長は「李在明代表は昨年6月に駐韓中国大使館を自ら訪れ、中国外務省の局長クラスに過ぎないケイ海明(けい・かいめい、シン・ハイミン)駐韓大使=ケイは刑のつくりをおおざと=からの訓示に近い演説を15分間おとなしく聞いてきた。同じ時期に法務部(省に相当)長官だった私は、ケイ海明大使から夕食会の要請を受けたが、適切ではないと判断して断った」と語った。ケイ海明大使は当時、動画共有サイト「ユーチューブ」共に民主党チャンネルのライブ配信で「(韓国が)米国にベッティングしたら後で必ず後悔するだろう」「韓国の対中貿易赤字は脱中国化のせい」と脅迫するような発言をして物議を醸した。
さらに、中国人など外国人永住権者に地方選挙の投票権を与えている現在の公職選挙法を改正する考えも明らかにした。韓東勲委員長は「外交の基本は相互主義だ。相手国にいる韓国国民はいかなる参政権も保証されていないが、韓国にいる外国人には参政権を付与している。今回の総選挙に勝って、この不合理を正す。共に民主党は反対するものと予想される」と述べた。
これに対して、共に民主党は「国民の力は言い掛かりを付けてきている」と反論した。同党の康珉碩(カン・ミンソク)報道官は23日、「中国は韓国最大の貿易相手国だ。『最大の貿易相手国と仲良くせよ』という言葉がなぜ事大主義なのか。外交の目的は国益だ。『国益実現のための外交をせよ』というのは屈従的な姿勢なのか」と言った。李在明代表も同日、「(中国と台湾の)両岸関係に我々(韓国)が深く関与する必要はない」と自身の主張を繰り返した。
李在明代表が23日に京畿道議政府市で「財政対策なしに分道(京畿道の分割)を直ちに施行すれば(京畿北道は)『江原西道』に転落する可能性が非常に高い」と発言したことに対しても、国民の力は「江原道を卑しめる発言だ。謝罪せよ」と批判した。同党江陵選挙区候補の権性東(クォン・ソンドン)議員は同日、交流サイト(SNS)「フェイスブック」で、「江原道を『転落』の代名詞として使っている。明白な蔑視(べっし)発言だ」と言った。国民の力の京畿-ソウル・リノベーション・タスクフォース(TF)は同日、「京畿道分割を通じた京畿北部発展計画は、共に民主党所属の金東兗(キム・ドンヨン)京畿道知事も公約として掲げたものだ」と反論した。
「江原道を卑しめた」という批判が広がるや、李在明代表は同日、「『江原道のように財政的に苦しく、国境地帯であるために実に開発が難しい地域になるかもしれない』という表現を、私が『転落』と少し過度に表現してしまったようだ。本意ではない。遺憾の意を表する」と述べた。共に民主党の権赫基(クォン・ヒョクキ)総選挙状況室副室長は「(分道反対は)事実ではない。李在明代表の個人の考えは『段階的分道論』だと理解している」と述べた。
キム・ジョンファン記者、キム・サンユン記者