【ソウル、果川聯合ニュース】韓国で政府高官の不正を捜査する「高位公職者犯罪捜査処」は22日、水害の行方不明者を捜索中だった海兵隊兵士が殉職した事件に絡み、同事件の捜査に圧力をかけた疑いを受けている李鐘燮(イ・ジョンソプ)駐オーストラリア大使(当時の国防部長官)の取り調べについて、「しばらくは難しい」との判断を示した。
李氏は迅速な調査を求めているが、高位公職者不正捜査処は4月10日の総選挙以前に取り調べを行うのは難しいと判断しているという。
高位公職者不正捜査処の関係者は記者団に対し、電子機器を解析して捜査に活用するデジタルフォレンジックなど押収物の分析作業が終わっていないことに加え、参考人に対する調査が十分でないことから、李氏の取り調べを行うのはしばらく難しいと説明した。取り調べの日時は追って通知する予定という。
最大野党「共に民主党」は李氏が国防部長官在任中、海兵隊兵士の殉職事件に関し、警察に送られた海兵隊捜査団の捜査記録を回収するよう指示したなどとして、昨年9月に職権乱用などの容疑で高位公職者犯罪捜査処に告発した。
また、今月15日には「重要容疑者を大使に任命し、出国の根拠を与えたことは職務権限付与の目的に反する」などとして尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も告発している。