検察が「キム・ソンヘ室長の500万ドルのスマートファーム支援要請を受諾したが、対北朝鮮制裁のために実行できなくなり、李華泳が『頭が痛い』と言った」とするキム元会長の陳述内容を示すと、李元副知事は「キム・ソンテの完全なうそ」だと主張した。また検察が「サンバンウルは被告が与えた資料に基づき、北朝鮮協力事業提案書を作成したというが、その通りか」と質問すると、「パン・ヨンチョルの真っ赤なうそ」だと否定した。 被告人席に座っていたパン副会長は、イ元副知事が否定するたびにあきれたように笑う場面もあった。
検察は李元副知事が2019年1月17日、中国・瀋陽で行われたサンバンウルと北朝鮮側の経済協力協定調印式に出席したと指摘した。李元副知事はこれまで一貫して「協定を結ぶ事実を知らなかったし、自分が出席したかも覚えがない」と主張してきた。検察が当時の写真と映像を示すと、李元副知事は「調印式だとは知らなかった」として「ははは」と笑った。検察は「何をやっているのか知らなかったという話が通るのか。ずっとうそをついている」と批判した。李元副知事は「私は記憶にない」と話した。
検察は調印式後に夕食会があり、その席で李元副知事が李在明知事に電話をかけ、キム元会長と話させたというキム元会長の供述を示し、「事実か」と尋ねた。李元副知事は再び「とんでもない」と答えた。
李元副知事は検察が指摘した事実の大部分について、「事実ではない」「全く覚えていない」「とんでもない」という返事だけを繰り返した。検察と李元副知事は公判中、神経戦を繰り広げた。李元副知事と検事は尋問の過程で互いを笑ったことをめぐり言い合いになる場面もあった。検察が「マカオ経由で北朝鮮にカネを渡すことをキム・ソンテが被告人とずっと相談したというがそれは事実か」という質問に対し、李元副知事が否認すると、検察はあきれたように笑った。すると弁護人は「あざ笑うようなことではないのではないか」と声を上げ、検察は「被告人も毎日のようにあざ笑っている」と応酬した。それに対し弁護人は「検事は品位を守ってほしい」と注文した。
当初19日で終了予定だった被告人尋問はさらに続く予定だ。今回の被告人尋問は午前10時から午後6時まで休廷時間を除き、約6時間近くにわたり行われたが、検察が準備した300項目以上の質問のうち、約130項目に対する尋問しかできなかった。裁判所は次回の公判期日を26日、29日と指定し、「(弁論終結は)4月2日ごろになるのではないか」と説明した。
キム・スオン記者