【ソウル聯合ニュース】韓国の李周浩(イ・ジュホ)社会副首相兼教育部長官は20日、医師不足解消のため2025学年度から増員することを決めた医学部の入学定員について、大学別の配分結果を発表した。
教育部が2月22日から3月4日まで大学からの申請を受け付け、専門家が参加する定員配分委員会での議論を経て増員分の2000人を地域・大学別に配分した。その結果、首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)以外の27大学の医学部に増員分の82%に当たる1639人が配分されることになった。
これらの大学の現在の定員は2023人で、全国の医学部の定員(3058人)の66.2%を占めるが、来年からは72.4%(3662人)まで引き上げられることになる。
拠点国立大9校のうち、江原大と済州大を除く7校の定員は200人に増えた。
医学部の定員が50人以下の小規模な大学のみがある京畿道と仁川市では、5大学に361人を配分。適正規模を備え効率的に運営できるようにした。
首都圏以外の他の大学についても、地域の医療環境改善に貢献できるよう定員を120人から150人に拡大した。
一方、政府は需要調査に参加したソウルの8大学には増員分の定員を配分しなかった。
教育部は、全ての国民がどこでも良質の医療サービスを受けられる「地域完結型医療システム」の構築に向け、首都圏と非首都圏の医療格差解消、首都圏内でもソウルと京畿・仁川地域の医療環境の不均衡解消という基準に基づき定員を配分したと説明した。
配分委員会は、各大学の申請資料などを基に医学教育・実習環境や今後の計画の充実度、地域・必須医療に対する寄与度、今後の寄与への意志などを検討して定員を決定した。
大学医学部の入学定員が増えるのは、1998年以来27年ぶり。
医師側は集団辞職に乗り出すなど政府の政策に強く反発しているが、大学別の増員規模が発表されたことで政府の増員撤回は事実上難しくなったとの見方が出ている。
教育部は今後、医学教育環境の改善に向けて関係官庁と協力し、教員の確保や施設拡充を支援する計画だ。
李副首相は「今回の医学部定員拡大は医療改革の始まりであり、首都圏と非首都圏の医療格差を解消するきっかけ(になる)」として「教育部は大学のパートナーとして現場の声を聞き、医学部の定員増による大学の困難を共に解決していく」と強調した。