韓国の進歩(革新)系新党「祖国革新党」が比例代表候補者20人の順位を発表した。「尹錫悦(ユン・ソンニョル)検察総長(検事総長に相当)追い出し監察」で高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の捜査を受けていた最中に解任された朴恩貞(パク・ウンジョン)元部長検事が1番、子どもの入試不正と大統領府監察もみ消し事件により一審・控訴審で懲役2年の刑を言い渡された曺国(チョ・グク)代表が2番だ。飲酒運転および4回にわたる無免許運転が発覚し4年前の総選挙でも正義党比例候補を辞退した申荘植(シン・ジャンシク)スポークスマンが4番、文在寅(ムン・ジェイン)政権の大統領府蔚山市長選挙介入事件により一審で懲役3年を宣告された黄雲夏(ファン・ウンハ)院内代表は8番となった。金学義(キム・ハクウィ)元法務次官に対する違法な出国禁止命令で裁判中の車圭根(チャ・ギュグン)元法務部(省に相当)出入国本部長も10番に選ばれた。当選が有力視される上位10人のうち少なくとも5人が懲役刑、被告人、被疑者だ。比例代表の名簿が「犯罪者名簿」なのだ。
この面々のほかにも、韓米同盟を「ガスライティング(他人の心理や状況を巧妙に操作し、その人が自身を疑うように仕向けることで他人に対する支配力を強化する行為)」になぞらえた金峻亨(キム・ジュンヒョン)元国立外交院長(6番)、朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長のセクハラ事件のとき2次加害論争を引き起こした徐旺鎮(ソ・ワンジン)元ソウル研究院長(12番)、梁承泰(ヤン・スンテ)大法院長(最高裁長官に相当)司法行政権乱用問題を巡って立場を公開した後に大統領府法務秘書官・法制処長に起用されて「コード(考え方や感じ方)による超高速昇進」論争を引き起こした金炯淵(キム・ヒョンヨン)元法制処長(14番)などが比例代表後者リストに名を連ねた。犯罪者だけでなく不適切な発言や身の処し方で物議をかもした人物まで、国会議員になろうと祖国革新党に群がった。
曺国代表や黄雲夏院内代表などは、国会議員に当選しても大法院で有罪が確定したら議員職を失う。この場合、現行法に基づき、祖国革新党内で順番に議席を承継する。犯罪者らが、国会を逃避先にするだけでは足りず、議席まで譲ってやるのだ。比例衛星政党制度で国会が犯罪逃避先と化している。少なくとも、下級審で議員職喪失刑を言い渡された人物が比例代表国会議員になる場合、大法院で刑が確定したら議席の承継は行われないようにすべきだ。