戦術地対地誘導兵器を初の戦力化へ 国防政策の推進計画を発表=韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国国防部は19日、有事の際に北朝鮮の長距離砲陣地や指揮部の施設などを精密打撃できる戦術地対地誘導兵器(KTSSM―Ⅰ)を今年初めて戦力化する内容などを柱とする「2024年主要政策」推進計画を発表した。

 同部によると、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応した韓国型3軸体系補強計画に基づいてKTSSM―Ⅰを今年初めて戦力化し、長距離地対空誘導兵器(L-SAM)の開発も完了する。

 KTSSMは2010年11月の北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃事件以降、北朝鮮が地下坑道に構築した長距離砲陣地を破壊するために韓国が独自開発し、昨年量産に向けた品質認証を終えた。射程距離約180キロのKTSSM―Ⅰは貫通型熱圧力弾頭で地下数メートルまで貫通し、平均誤差半径(CEP)は5メートル前後と世界最高水準の精度を誇る。

 国防部は韓米一体型の拡大抑止を実現するため、北朝鮮が核を使用するシナリオを反映した韓米政府による模擬演習と国防・軍事レベルのTTX(机上演習)を段階的に実施すると明らかにした。今年後半の韓米合同演習から、連合上陸訓練「双竜」など多様な合同野外機動訓練も拡大実施する。

 各軍が保有する戦略兵器を統合運用し、合同戦力の発展策を主導する戦略指令部は今年後半に創設される。

 国防部は韓国と国連軍司令部加盟国の国防相会議を今年から定例化し、国連軍司令部の12の加盟国との合同演習や訓練を活性化する計画だと明らかにした。

 また、防衛産業の輸出と協力を拡大して韓国製兵器と弾薬を生産・保管し、有事の際に活用できる海外戦略拠点も構築する計画だ。戦略拠点を構築する国と武器や弾薬を共同生産し、これを保管する施設も建設するとみられる。

 米国とは、全般的な防衛産業協力を強化するための相互の国防調達に関する協定(RDP―A)を締結する。RDP―Aは、米国防総省が協定国と防衛産業市場を相互に開放し、持続的な協力体系を構築するために締結する協定だ。国防部門で貿易障壁を取り除こうという趣旨で、防衛産業分野の自由貿易協定(FTA)といえる。

 国防部は先端人工知能(AI)技術を迅速に導入する専門組織「国防AIセンター」を4月に創設する。このセンターは民間技術を発掘し、国防分野に適用して軍が必要とする体系を迅速に導入するよう任務を遂行する。

 また、各軍の士官学校は先端兵器体系、国内外の戦争史、英語教育などを拡大するよう教育体系を改善し、軍人向け放送を行う「国防TV」の名称を変更して新規コンテンツの制作に乗り出す。

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