外国人観光客が年間900万人訪れるソウル市内の地下鉄案内板や表示板に非常に多くの誤表記があることが分かった。本紙がソウル市内でも外国人観光客が特に多く利用する15の地下鉄駅に設置された205の地図や案内表示などを確認したところ、合計94の間違いが見つかった。10件のうち4件以上の割合で間違いがあることになる。単なる誤字脱字も多かったが、その中には「コリア(Korea)」を「クリア(Kurea)」とする基本的なスペルミスや、「南山3号トンネル」というハングル表記を英語で「Bank of Korea」と全く違った形で記載したケースもあった。
【写真】日本大使館が正式名称「Embassy of Japan」ではなく「Japanese Embassy」「Korea」が「Kurea」と書かれた表示板
英文表記の間違いが最も多かったのは江南駅で33件あった。江南駅が始発の新盆唐線は「Sinbundang Line」となっていたが、正式な英文表記は「Shinbundang Line」だ。また学校が「school」ではなく「schoo」とされたり、三成駅方面を示す案内表示には「Samseong」とすべきところを企業名の「Samsung」と記載されていた。
類型別では企業や政府機関などの正式名称を無視したケースが62件と最も多かった。日本大使館は正式名称が「Embassy of Japan」だが、安国駅の案内表示には「Japanese Embassy」と記載されていた。鍾路3街駅では世運商街が「Seun Arcade」とされていたが、正式な英文名称は「Sewoon Plaza」だ。
単なる誤表記も24件見つかった。光化門駅では市議会を「Metropolitan Council」とすべきところを「Metropolition」「Metropolinat」などと間違って表記した案内表示が2カ所あった。乙支路4街駅では周辺の商店街方面を示す表記が「Shopping Center」ではなく「Shopping Senter」となっていた。フランス人のロラ・レミさん(30)は「こんな簡単な単語も間違っているようでは、ソウルのイメージが悪くなる」と苦言を呈した。
ソウル市内の地下鉄はソウル交通公社、ソウル・メトロ9号線、新盆唐線など運営会社が複数あり、地下のショッピングセンターはソウル施設公団が管理している。そのため案内板などの表記が統一されていないというのが業界関係者の指摘だ。ソウル交通公社の関係者は「外部業者が設置した後にしっかりとチェックしなかったため」とコメントした。
市内の通りなどに設置された案内板を管理するのはソウル市だ。ソウル市は一連の誤表記を修正するため2021年から市民や外国人からの連絡や指摘を受け付けており、21年には英語、中国語、日本語などの誤表記を合計421件修正し、昨年は608件修正したという。韓国外国語大学通訳翻訳大学院のホン・ソルヨン兼任教授は「案内表示の度重なる間違いは国の有形・無形のイメージに大きなマイナスだ」「ソウル市と政府を中心に全数調査を行い、間違いを修正して表記を統一すべきだろう」とコメントした。
キム・ボギョン記者、アン・ジュンヒョン記者