【大田聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前政権下で大統領府の政策室長や国土交通部長官などを務めた高官ら11人が不動産価格などの統計を操作していたとして、職権乱用権利行使妨害や統計法違反などの罪で在宅起訴された。大田地検が14日、明らかにした。
大田地検によると、在宅起訴されたのは文政権下で大統領府の政策室長を務めた金秀顕(キム・スヒョン)被告、同じく政策室長を務めた金尚祖(キム・サンジョ)被告、国土交通部長官を務めた金賢美(キム・ヒョンミ)被告ら11人。
3被告に大統領秘書室と国土交通部の関係者を加えた計7人は住宅価格の高騰に対する政府の政策に効果があったと見せかけることを目的に韓国不動産院(旧・韓国鑑定院)が発表する住宅価格の変動率を125回操作したとされる。
検察によると、文政権発足直後の2017年6月から4年6カ月にわたり、国土交通部は韓国不動産院に対し、同統計を発表する前に大統領秘書室に報告するよう指示した。作成中の統計を公表前に他機関に提供する行為は統計法違反となる。
また統計の数値に不都合があれば韓国不動産院に圧力をかけ、2021年8月までソウル市、仁川市、京畿道など首都圏地域の住宅価格などの変動率を常習的に操作していたとされる。
金賢美被告は国土交通部の職員らに対し、政府の政策の効果が数字に現れなければならないと重ねて指示し、同部の高官が不動産院に圧力を加え、変動率を下げさせたという。
統計の改ざんは大統領就任2周年や総選挙など政治的に重要な時期は特に多かった。統計が改ざんされた結果、2017年11月から21年7月までのソウルのマンション価格は統計上の上昇率が12%であるのに対し、実際の取引価格の上昇率は81%だったことが分かった。
また住居価格だけでなく所得や雇用に関する統計についても、政権にとって有利な数値に改ざんされていたことが確認された。
金尚祖被告や統計庁長だった姜信ウク(カン・シンウク)被告ら4人は統計調査で非正規職が急増したことが明らかになったことを受け、統計の調査方式が変わったことが影響したなどと虚偽の説明をした。
大田地検は「この事件は政府が権力を乱用し、国家統計の正確性と中立性を正面から侵害した最初の統計法違反の事例」とし、「不動産対策の失敗で住宅価格が高騰し、雇用政策を進めたにもかかわらず非正規職が増加したことを受け、大統領秘書室の主導で長期にわたり国家統計を組織的に操作し、また統計調査結果を改ざんした事実が明らかになった」と述べた。
検察は監査院の要請を受け、昨年9月に捜査に着手。大統領記録館や国土交通部を家宅捜索し、元政策室長4人を被疑者として取り調べを行い、捜査対象者22人のうち11人を起訴した。