愛したら有罪? 心理学で分析した韓国アイドル恋愛の法則

 「ファンの方々に心から申し訳ない気持ちを伝えたいと思ったからです」

 今月5日、ガールズグループaespa(エスパ)のリーダー、カリナ(23)=本名:ユ・ジミン=がインスタグラムに直筆の謝罪文を投稿した。韓国では、世間を騒がせた芸能人たちはインスタでの謝罪という方法を選ぶことが多い。カリナが夜遅くに長文の直筆謝罪を投稿したのは、俳優イ・ジェウクとの熱愛が原因だった。

【写真】ヌードトーンのドレス姿でオーラを放つaespaカリナ

 「いま愛していない人、全員有罪」(作家ノ・ヒギョン)とは言うものの、アイドルグループのメンバーは愛したら有罪だ。アイドルたちの恋愛は、芸能事務所にとって最大のリスクとなる。先月27日に飛び出したカリナの熱愛報道をきっかけに、所属事務所SMエンターテインメントの株価は下がり始めた。英国BBCも「熱愛が明らかになったせいで謝罪文まで書かなければならないのがK-POP産業の現実」だとして「韓国と日本のポップスターはプレッシャーが強いことで悪名高い産業に従事している」と報じた。

 交際をオープンにした最初のアイドルともいえるボーイズグループgodのリーダー、パク・ジュンヒョンは、女優ハン・ゴウンとの交際が明らかになった際に謝罪会見まで開く羽目になった。パク・ジュンヒョンが会見で泣きながら言った「僕は32歳なんですよ。彼女がいて当然でしょう」という言葉は今でも話題になる。カリナは現在23歳、恋愛することが当たり前の年齢だ。それなのにファンたちはなぜ、怒り狂うのか。

■ファンがいるのに恋愛すれば「不倫」

 アイドル産業というのは「疑似恋愛感情」、心理学用語で言うと「疑似的社会関係」が基盤になっている。実際の社会関係ではないものの、受け手にとっては社会関係を形成したかのように感じられる関係だ。通常の社会関係とは異なり一方向の関係だけが存在し、相手が自身の存在を認識していなくてもメディアを通じて相手への興味や感情が生まれ、維持されることで成り立っている。

 こうした関係を利用した収益構造の例が、アイドルとメッセージをやり取りしている気分を味わえるアプリ「bubble(バブル)」や、直接コミュニケーションが取れるオンライン・プラットフォーム「Weverse(ウィバース)」などだ。英BBCも「K-POPスターの所属事務所は、彼らを『恋愛できるように見える』アイドルとして売りたがっている」として「つい10年前まで韓国の芸能事務所は新人に恋愛、さらには個人の携帯電話使用を禁止することが多かった」と報じた。

 どの公演会場でも見られる昔ながらのプラカード「〇〇の夫」が、こうした感情を表す代表的な例だ。このような関係によって結ばれた相手が、他の誰かと交際していることを知った瞬間、いわゆる「不倫」をされたという感情を抱くというわけだ。

 慶尚大の研究陣が韓国金融工学会で発表した論文「ロマンスのうわさがエンターテインメント企業の株価に与える影響」によると、所属する芸能人に関する交際説が報じられた場合、エンターテインメント企業の株価に短期的にマイナスの影響を与えることが分かった。芸能人の商品性というのは大衆の欲求に合致するイメージが基になっているが、このような期待需要を満たして初めて芸能人の価値が維持されるということなのだ。

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  • ▲今年2月にイタリア・ミラノで行われたプラダのファッションショーで並んで座るaespaのカリナ(写真右)と俳優のイ・ジェウク。二人はこのイベントで出会って恋に落ちたという。/NEWSIS

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