トヨタ1万4千件、現代自・起亜8千件…自動車を巡るグローバル特許戦争

 最近トヨタはEVに逆の発想でマニュアル変速機を搭載する特許を出願するなど、EV独特の跳ねるような乗り心地を緩和したり、内燃機関車のように運転できる特許を充実させている。昨年は電気自動車の技術を確保するために「BEVファクトリー」という組織もつくった。現代自の反撃も手強い。性能改善に集中して特許を大幅に増やしている。最近は自動車のフロントバンパーと前輪の間に「アクティブエアスカート」という風除け装置を設置する特許を出した。空気抵抗を減らし、EVの航続距離を延ばすための装置だ。一方、ホンダやフォードなどは実用性に注目する特許が多い。ホンダはEVには後方下部に燃料タンク、排気装置などが必要ないという点に着目し、バンパー部分を引き出しにする特許を出願した。フォードはバッテリーを車のルーフに搭載する方法を考案した。

 ハイブリッド車部門ではトヨタ(9629件)、現代自・起亜(5951件)、日産(4050件)、フォード(2728件)が上位に入った。特に目立つのは、これまでハイブリッド車に消極的だったドイツメーカーによる特許出願だ。フォルクスワーゲンは2016年以降、306件の特許を出願しており、ステランティスとルノーも出願を増やしている。特許庁自動車審査課のチェ・ウンソク首席審査官は「欧州車の動向を見ると、欧州のEV転換目標(2035年)の時期が先送りされ、ハイブリッド人気が35年以降まで持続する可能性がうかがえる」と述べた。

■熱管理部門も競争激化

 EVにとって重要な航続距離を左右する熱管理分野でも、トヨタと現代自などが激しい争いを繰り広げている。15年に511件だった同部門の特許出願数は、20年には1271件と2倍以上に増えた。トヨタ(678件)と現代自(609件)が最多で、ホンダ(320件)、フォード(254件)、日産(164件)が続いた。EV大手に浮上した中国のBYD(比亜迪)も162件で6位に入った。車から出る廃熱を利用し、暖房を行う方式の特許の出願が多いが、現代自はバッテリー廃熱をパイプを通じてシートや床に送り、車両を「オンドル(床暖房)」方式で温める方式を特許として出願した。

 自動運転部門ではITメーカー、とりわけ中国メーカーの活躍が目立つ。百度(バイドゥ)による出願が1193件で最多で、上位50位圏内に中国企業14社が名を連ねた。現代自(567件)は8位だった。

キム・アサ記者

【グラフィック】EV・ハイブリッド車の動力系特許出願件数

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