■味の違いは「…」
このユーチューバーは、味については事実上、韓国の辛ラーメンに軍配を上げた。はじめは「日本は具の量が詐欺並み」と言っていたが、結局は「(韓国の製品の方が)麺もコシがあり、スープに牛肉だしの味が濃いと思った。(韓国の)辛ラーメンは本家の座を守った」と言った。
本当に韓国国内向けと輸出用の味は違うのだろうか。国によって辛ラーメンの味は違う。これは、許可されている食品添加物が違うからだ。例えば、「米国で販売されているカップラーメンには肉類から抽出した添加物を入れることができないため、代替添加物を開発して入れている」というのが農心の説明だ。日本の辛ラーメンにも一部、違う成分が入っている。 ただし、農心は「成分が違っても世界どこでも同じ味を出すのが辛ラーメン研究陣の目標だ。実際の味はほとんど同じだと判断しているが、味覚が敏感なお客様は違いを感じるとおっしゃっている」と説明した。
■日本の方が安い? 「価格騒動」
ユーチューバーは日本の製品には「850ウォン」、韓国製品には「900ウォン」と字幕を付け、「日本の方が安い」と言った。これに対して、農心は「公式価格は日本の方が高い」と話す。農心によると、辛ラーメンのカップ麺の日本公式小売価格は148円(約1320ウォン)で、韓国は1150ウォンだという。日本の製品の方が約170ウォン高いのだ。ただし、実際に消費者が支払う金額は流通チャンネルによって変わる可能性がある。このユーチューバーは、ラーメンを割引販売する小売店を利用したり、大量のまとめ売り製品を安く買ったりした可能性がある。農心の関係者は「約100カ国に輸出しているので、製品価格がまったく同じということはあり得ない」と語った。
実際に輸出製品は現地の物価と為替レートによって国ごとに価格の違いが生じる。また、現地化戦略、ライバル企業の製品価格、製造工程・方式などによって製品価格を変えるのが一般的だ。マクドナルドのように現地にフランチャイズがある場合も、国ごとに価格が異なる。このため、「ビッグマック指数」が現地の物価水準を判断する指標として使われている。全世界で同時に発売する国際企業の製品も同様だ。昨年発売されたアップルの「iPhone(アイフォーン) 15」も米国では799ドル(税込み価格で約11万7000円)だが、韓国での発売価格は125万ウォン(約14万円)だった。
崔燕真(チェ・ヨンジン)記者