従北勢力の韓国国会進出でさらに急がれる国家情報院の対共捜査権回復【3月11日付社説】

 韓国野党・共に民主党の比例代表用衛星政党とされる共に民主連合の候補者リストに親北・従北思想を持つ人物の名前が次々に上がっている。内訳は進歩党から3人、新進歩連合から3人、連合政治市民会議から4人で、いずれもこの人数を当選確実ラインに推薦することで共に民主党と合意した。例えば進歩党が推薦する3人の候補者は全員が従北過激派の京畿東部連合の影響下にあった民主労働党や民衆党などで活動していた人物だ。進歩党は「李石基(イ・ソッキ)内乱陰謀事件」で解散した統合進歩党を前身としている。

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 連合政治市民会議の比例代表候補第1次審査を通過した12人も同様で、北朝鮮の金氏一家による世襲を称賛し問題となった「統一教科書」発行元の全国民主労働組合総連盟(民主労総)の元委員長や、国家保安法廃止を訴える民主社会のための弁護士会(民弁)所属弁護士などもその中に含まれている。ある選挙区では共に民主党と進歩党による候補者一本化交渉も続いており、かつて統合進歩党の主要メンバーだった複数の人物が再び国会議員になる可能性も高まっている。

 韓国与党・国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は「4月の国会議員選挙で勝利すれば、国家情報院の対共捜査(スパイ活動など共産主義関連の捜査)権を直ちに回復する法律改正案を可決・成立させたい」との考えを示した。韓委員長は「李在明(イ・ジェミョン)代表は自分が助かるためかつて統合進歩党員だった従北勢力に本来の(共に)民主党を隠れみのとして提供している。そのため(法律改正の)必要性はさらに高まった」と訴えている。

 文在寅(ムン・ジェイン)前政権が力ずくで成立させた対共捜査権を警察に移管する法律は、すでに多くの問題点が表面化している。警察は安保捜査担当部署をすでに立ち上げたが、その総勢はわずか142人で、しかも責任者は共産主義関連のスパイ事件などを担当した経験が全くない。全国の特別市や広域市、道など地方の警察庁でも対共捜査の担当者を増員しているが、捜査を指揮する幹部のほぼ半分はスパイ捜査の経験が3年にも満たないという。

 今後、親北・従北思想を持つ人物が国会議員となった場合、国家情報院、国防部(省に相当)、検察、警察の重要機密資料の閲覧を要求し、これを公表あるいは流出させる可能性も排除できなくなるだろう。李石基元議員は逮捕前に局地挑発への備えに関する韓国軍と米軍の共同作戦計画や大型攻撃ヘリ導入計画など、これら一連の軍事機密の閲覧を要求していた。今の第21代国会では野党議員の秘書らが「金正恩(キム・ジョンウン)総書記斬首部隊」関連を含む700以上の軍事機密閲覧を要求していた事実も後から明らかになった。スパイ捜査に関してアマチュア同然の警察が対共捜査権を持ち続ける状況で、政界における対共捜査などを効果的に行えるだろうか。対共捜査権を元に戻すことは選挙後の最優先課題としなければならない。

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  • ▲警察庁と特別市・広域市・道など地方警察の安保捜査担当者や責任安保捜査官志願者らが昨年ソウル市西大門区の警察庁で安保捜査指揮力評価試験を受けた。写真は試験開始を待つ担当者や志願者。2023年6月15日撮影。/ニュース1、アン・ウンナ記者

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