【世宗聯合ニュース】韓国政府が医師不足などの対策として打ち出した大学医学部の定員増加に向け、教育部が医学部のある全国40大学を対象に2025学年度の入学定員に関する申請を受け付けた。4日の締め切りまでに40校すべてが増員を求め、増員数は計3401人に上った。政府が計画する増員数(2000人)だけでなく、大学側に対する昨秋の調査で把握した増員需要(最小2151人、最大2847人)も大きく上回った。
政府は5日、教育部が2月22日から3月4日まで大学側から受け付けた増員申請の結果を明らかにした。
増員申請数を大学の所在地別にみると、ソウルの8校が計365人、京畿道と仁川の5大学で計565人と、首都圏13校で計930人の増員を申請した。地方の27校の増員申請数は計2471人で、全体の72.7%を占めた。
政府が発表した増員方針に反発する医師側は、大学総長に増員申請を自制するよう働きかけてきた。だが大学側は、学校としてのステータスや医大教育の効率性を考えると増員は必要だと認識してきた。1998年を最後に医学部新設・定員増がなかっただけに、今回の機会を逃せないと判断したもようだ。
入学定員が現在50人未満の小規模な大学医学部は2~5倍となる定員増を申請し、主要国立大も積極的に増員を求めた。
教育部によると、大学側には増員申請と併せて医学部の運営計画も提出させた。今後書類を検討し、保健福祉部と協議した上で委員会を立ち上げ、定員増の配分を決める。
一方、医学部の教授や学生たちは、定員増が医学教育の質を低下させかねないとして強く反発している。江原大の教授らは5日、医学部前で抗議のパフォーマンスを行った。
現役の医大生は一斉に休学届を出した。教育部によると、4日午後6時までに全国で5401人の学生が休学を届け出た。全国の在学生数(昨年4月時点)の28.7%にあたる。これは正式な手順を経て休学届けが受け付けられたケースで、それ以外に手順や要件を満たしていないと判断された休学届がはるかに多い。一部の医学部では授業のボイコットなどもみられる。
医療現場では専攻医(研修医)による辞表提出と職場離脱が続いている。