IT先進国である韓国のウェブトゥーン(縦スクロール漫画)が人気を集める中、漫画大国の日本に静かな危機が迫っている、と日本の週刊誌「FLASH」が2日、報じた。
同誌は「ウェブトゥーンの最大の特徴は、スマートフォンの画面に合わせてコマを縦一列に並べて配置していること」だとして「紙面を想定した日本の漫画はスマホで見づらいという声があるが、ウェブトゥーンは一つ一つのコマが画面いっぱいに表示され、絵が大きく迫力も満点だ。上下にスクロールするだけで軽快に読むことができる」と説明した。
同誌はまた「漫画もユーチューブ、ティックトックなどと競争しなければならないが、ウェブトゥーンは短時間で快適に楽しめるように設計されており、デジタルネイティブのZ世代(幼い頃からデジタル環境の中で育った世代。1990年中盤〜2000年代生まれの若い世代)から絶大な支持を集めている」と分析した。
同誌によると、日本の漫画アプリ市場では韓国ネイバーが提供するウェブトゥーンの日本語サービス「LINEマンガ」と、韓国系カカオピッコマのデジタル漫画プラットフォーム「ピッコマ」のシェアが半分近くに達しているという。
このため昨年2月には「日本の漫画の聖地」と呼ばれる東京都豊島区に、ウェブトゥーン作家を夢見る若者向けのシェアハウスが日本で初めて完成した。
「MANGA-SO(マンガ荘)」と名付けられたこのシェアハウスは、八つの個室で構成されており、個室の内部にはウェブトゥーン作業のためのタブレット端末と作業机が用意されている。入居期間は1年で、その後ウェブトゥーン作家としてデビューすれば収入の一部を施設に還元しなければならない。ただしデビューできなければ費用を支払う必要はない。
京都精華大マンガ学部の具本媛(ク・ボンウォン)講師は同誌とのインタビューで「教授陣は日本の漫画をしっかり読みなさいと教えているが、ウェブトゥーンしか読まない学生が増えている」と話した。
これについて、同誌は「強烈なデジャブ(既視感)に襲われた」として「日本の産業界は得意分野だったテレビや半導体で韓国に追い抜かれ、苦汁を飲まされてきた。漫画も隣国(韓国)にお株を奪われてしまうのか」と懸念を示した。
キム・ミョンイル記者