この数値は驚くべきものだ。日本政府は2008年以降、段階的に小・中・高の学習指導要領を改正し、児童・生徒に「竹島」の位置、日本の領土である理由、現在韓国の実効的支配化に置かれている経緯などを教えるようにした。この学習指導要領改正が成功していたら、現在の10代・20代の日本人は、その上の世代よりも「竹島」についてより多くのことを知り、より多くの関心を持っているはずだ。新学習指導要領は失敗したのだ。
昨年末、韓国国防部(省に相当)が発行した精神教育教材に「独島は紛争中」という表現が含まれていたというので騒ぎになった。「独島関連の紛争はない」というのが韓国政府の公式な立場だ。だが果たして、韓国人は、そうした立場に合うように行動してきたか? 日本側で「独島は日本領」と主張したというニュースが入ってきただけで、あちこちで「アマチュア専門家」らが飛び出してきて、「強力に対応すべき」だとか「対外広報を強化すべき」だとかの主張を披露すると、それに相づちを打ってきたのは誰か?
世界のあちこちの国を回って、独島がどこにあるかも知らない外国人を相手に「独島はわが領土」と「広報を強化」し、独島関連の「強力な対応」という観点から日本人と熾烈(しれつ)な口論を繰り広げる姿を見せたら、外国人の目に映る独島は紛争中だろうか、その逆だろうか。
韓国人も、独島問題についてもう少し冷静かつ一貫した態度を維持すべき時期になったのではないだろうか? 日本が独島について何か主張をしたからといって、韓国人が一喜一憂する必要はない。静かな対応もしくは無対応で推し進めても、どのみち、独島を韓国が実効支配している以上、時間は韓国の味方だ。ますます「竹島がどこにあるのか知らない日本人」「竹島を韓国にあげようという日本人」は次第に増えていくはずだから。
2月22日、毎年そうしてきたように、島根県が条例で定めた「竹島の日」記念式典が開かれた。島根県は「記念式典に首相もしくは閣僚級が出席してほしい」と中央政府に粘り強く要請してきたが、日本政府は今年も、初当選議員級の政務官1人を派遣しただけだった。「竹島の日」問題で韓国が抗議すると、「韓国が抗議した」としてさらに多くの記事を書くのが日本メディアだ。今回こそは、「独島関連の紛争はない」という韓国側の立場をきちんと実行してみるのはどうだろうか? むしろ韓国側が対応のレベルを下げたら、島根県は当惑するかもしれない。独島問題関連の真に強力な対応は「静かな対応」だからだ。
チャン・ブスン関西外国語大学教授(国際関係学)