今年は世界40カ国以上で大統領選挙や国会議員選挙が行われる前例のない「選挙の年」だが、EIUは今年すでに行われたか、あるいは今後行われる各国の選挙で公正に行われる割合はわずか61%と予想しており、今回の調査はこれをある程度裏付ける結果となった。これまで行われた主要国の選挙で投票後も何らかの問題が起きたケースが非常に多いのがその理由だ。
14日に行われたインドネシアの大統領選挙では現職国防相のプラボウォ氏の当選が確実視されているが、今のジョコ大統領の息子を副大統領候補に指名したため「世襲の道具にされた」との批判も起こっている。今月流血テロの中で行われたパキスタンの国会議員選挙では出馬が禁じられたカーン元首相を支持する候補者が数多く当選したが、カーン氏のライバルで軍の支持を受けたシャリフ前首相率いる連立内閣が政権を握り混迷が続いている。中米のエルサルバドルで行われた大統領選挙では中道右派のブケレ大統領が圧勝し、長期政権の道具として悪用されたとの批判が相次いでいる。憲法で「6カ月以上大統領に在任した人物の再選を禁じる」と定められているが、政権に近い人物で固められた憲法裁判所から有利な判決を引き出し出馬を強行したのだ。
セネガルでは任期満了が近づいた現職の大統領が突然選挙を延期する前例のない事態となった。今月3日にセネガルのマッキー・サル大統領は国営テレビを通じて25日に予定されていた大統領選挙を無期限延期する政令に署名したと発表した。しかし憲法委員会が15日に大統領の発表を違憲と判断したため、政局は一層混乱を深めている。来月予定されているロシアの大統領選挙も主要候補が相次いで出馬を禁じられたため、事実上プーチン大統領の圧勝が確実視されている。
パリ=チョン・チョルファン特派員、キム・ナヨン記者