李政厚(イ・ジョンフ、25)=サンフランシスコ・ジャイアンツ=に対する米プロ野球関係者たちの視線は温かいものばかりではない。
【写真】李政厚をアニメで紹介したサンフランシスコ・ジャイアンツの公式アカウント
米スポーツ・メディア「ジ・アスレティック」は22日、大リーグの元球団役員・現球団役員・監督・コーチ・スカウトなど31人を対象に行ったアンケート調査の結果を発表した。 アンケートに参加した人々はさまざまな質問に複数回答した。
今シーズン、大リーグ・デビューを控えている李政厚は「最悪のフリーエージェント(FA)契約」部門で2位タイ(7票)だった。その選定基準は、選手の実力よりも契約内容、すなわち金額だった。同部門で1票以上の投票があった選手は30人に達する。
昨年まで韓国プロ野球のキウム・ヒーローズでプレーした李政厚は、ポスティング・システム(非公開競争入札)でジャイアンツと6年・総額1億1300万ドル(当時のレートで約160億円)で契約した。契約規模が予想を上回っていたうえ、4年プレーすれば残りの契約を解除し、新たなチームを探すことができる「オプトアウト」条項まで含まれていたため、選手にとって大幅に有利な条件だった。このため、「あまりにも大きな金額で、費用対効果が低い」と評されたものとみられる。
李政厚は2024年公式戦開幕戦の1番打者として、ジャイアンツのボブ・メルビン監督に指名されている。現在はスプリングキャンプの公式練習に参加し、25日に行われるシカゴ・カブスとのオープン戦に備えている。
李政厚のチームメイトで右腕投手のジョーダン・ヒックス(27)も「最悪のFA契約」部門で7票入った。トロント・ブルージェイズから移籍してきたヒックスは4年・4400万ドルで契約した。同部門の1位は、8票入った右腕投手ルーカス・ジオリト(29)だ。ジオリトはボストン・レッドソックスと2年・総額3850万ドルで契約した。シカゴ・ホワイトソックスなど3チームでプレーし、昨年8勝15敗にとどまった選手に対する投資としては「行き過ぎだ」という声があった。
一方、「最高のFA契約」部門では、今年ロサンゼルス・ドジャースのユニホームを着てプレーする大谷翔平(29)が25票で1位、同チームの投手・山本由伸(25)が17票で2位だった。ところが、「最悪のFA契約」部門でも大谷には1票、山本には2票入った。2人の契約規模も過剰だと考える回答者がいたということだ。大谷は10年・7億ドル、山本は12年・3億2500万ドルでサインした。
この他に、「最も戦力が良くなったチーム」部門ではナショナルリーグのドジャース(31票)とアメリカンリーグのボルチモア・オリオールズ、ニューヨーク・ヤンキース(以上、24票)が最も多くの票を集めた。
成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者