中国吉林省長春市に留学した弟がいるおかげで、たびたび中国の話を聞き及ぶことがある。主に中国人の生活様式がどのように変わっており、同年代の中国人の友人の間では何が流行しているといった内容だ。国際ニュースが伝えてくれない中国の90後(ジオウリンホウ・1990年代生まれ)の話は、時には興味深く、時には聞き慣れないものだ。
【写真】目立ちすぎる漢字の誤表記…仁川空港に設置された中国人向け案内板
最近弟との会話で衝撃を受けたことがあった。先日インターネット上で「中国人は韓国人が孔子は韓国人だと言い張っていると思っている」という書き込みを見た。それで弟に「本当か」と聞いたら、自分も中国留学当時に聞いたことがあると言った。初めてその話を聞いた際には、あきれて中国人の友人に「本当にそんなうわさが流れているのか」と尋ねたが、その友人も急に表情が硬くなり「お前も孔子が韓国人だと思うのか」と真顔で問い返してきたという。私が国際情勢にあまりにも鈍感だったのかもしれないが、中国は改めて遠い国のように思えた。
孔子が韓国人だなんて。これまで「明太子は日本食」と言う日本人ユーチューバーに抗議した人は見たことがあったが、孔子を韓国人だと主張する人は一人も見たことがない。とんでもない話だが、問題はこんなデマが中国や台湾にかなり広がっている点だ。2011年、台湾の馬英九総統(当時)が台北郊外の新北市にあるセントジョンズ科技大学(聖約翰科技大学)を訪問した当時、ある韓国人留学生が「台湾で孔子と豆乳を韓国が盗もうとしているという誤解を受けている。誤解を解いてほしい」と求め、馬英九が代わりに釈明したことがあった。韓国のバラエティー番組「アブノーマル会談」の中国版である「世界の青年は話す(世界青年説)」という番組では、韓国人出演者が「孔子は中国人だ」と発言し、出演者から大きな拍手を受けたりもした。