衛星政党比例制は、2020年総選挙を前に民主党が、当時の自由韓国党(現在の『国民の力』)を排除して強行処理した選挙法が母体になっている。そのせいで4年前に「議員の貸し借り」「ブローカー政党」などでしばらく荒れたことを、韓国の有権者は忘れていない。中央選挙管理委の依頼で韓国政治学会が実施した世論調査でも、第21代総選挙の最大の問題点として比例・衛星政党の乱立(20%)が挙げられた。その次が非現実的な公約(17%)、中傷・ネガティブ宣伝(14%)だった。
有権者が指摘するように、総選挙が終われば姿を消す「ブローカー」政党に票を入れろというのは、国民の高まった意識にも合致せず、民主主義の原則にも符合しない。海辺に作られた砂の城のごとき1回限りの仮設政党は、いかなる名分をもってしても容認しがたい。
左派群小政党は、状況が苦しくとも原則を守って国民の票を得る道へと進むべきだったのに、正反対の方向へと進んでいる。国民の信頼を得られないまま植民地政党に加わって国会入りするとしたら、何の意味があるのか。先の総選挙で民主党がつくった「共に市民党」に参加した各党が、果たして韓国国民から高い評価を得たといえるか。
こういうとき、せめて少数政党のプライドと名分は守ろうと努力してきた魯会燦(ノ・フェチャン)元議員を思い出す人は多いだろう。魯・元議員であれば、名分なき第2中隊役にはきっぱり一線を画したのではないだろうか。
李河遠(イ・ハウォン)記者