ナワリヌイ氏の死を巡る四つの疑問…ロシア情報機関職員が刑務所を訪れた2日後に死亡

■前日まで元気だったナワリヌイ氏

 ナワリヌイ氏は死亡する前日の15日まで元気だったという。この日は刑務所からオンラインの裁判に出席し「裁判が遅れたので領置金がなくなりそうだ。裁判官さん、お金を貸してください」と冗談を言う様子も公開された。

 ロシア政府は表向きには「ナワリヌイ氏の死因は血栓症」と主張している。血液の固まりが血管を詰まらせる病気のことだ。これに対して西側メディアは「信じられない」と反論している。英BBC放送などは「包括的であいまいな言葉だ」「事件の性質から検死もできなかったはずだ。血栓が原因と主張するのはおかしい」との見方を示した。

 別のメディアは「血栓を誘発する物質を無理やり注入してから血管が狭くなる寒い環境に置いて死に至らせた」と疑っている。ノバヤ・ガゼタは「ナワリヌイ氏は死亡した当日、気温がマイナス20度の運動場に4時間ほどいた」と報じた。

■プーチン大統領は沈黙

 米国のバイデン大統領は16日「ナワリヌイ氏の死はプーチン大統領とその取り巻きたちが行った何らかの行動の結果という点に疑いの余地はない」と批判した。ミュンヘン安全保障会議に出席した西側の首脳や閣僚らも「ナワリヌイ氏はプーチン大統領と彼の政権により殺害された」と批判した。

 これらの相次ぐ批判にプーチン大統領は異常なほど沈黙を守っている。昨年8月にロシアの民間軍事会社ワグネルのプリゴジン氏が飛行機事故で死亡した際にプーチン大統領は翌日に哀悼の意を表したが、今回はそれと対照的だ。

パリ=チョン・チョルファン特派員

【表】相次ぐ不審死…プーチン大統領を批判して謎の死を遂げた人物と死亡当時の状況

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