【ソウル聯合ニュース】韓国政府が発表した大学医学部の入学定員増に反発して医師たちが団体行動に乗り出す動きをみせていることを受け、韓悳洙(ハン・ドクス)首相は18日、「実際の行動につながり医療空白が生じれば、その被害はそのまま国民に及ぶ」と、自粛を求める談話を発表した。
また、医師たちの集団行動による医療空白は、国民の生命と健康を「交渉材料」とする、あってはならないことと指摘した。
韓氏は、医師不足の解消に向けた医学部の入学定員増の必要性に言及し、「絶対的な医師数が確保できなければ、医療改革は絶対に成功できない。医学部の入学定員増はこれ以上先送りできない」と強調。特別法を制定して医療事故のセーフティーネットをつくるほか、2028年までに10兆ウォン(約1.1兆円)以上を投じ、診療報酬を引き上げるとした。
大韓医師協会(医協)の非常対策委員会は韓首相の談話発表直後、「政府が医大生や専攻医(研修医)の自由意思に基づいた行動に違憲的なフレームを当てはめて処罰するなら、医療の大災害を招くことになる」と警告する声明を出した。
医協の非常対策委は「首相の談話は医師の自律的な行動を抑圧して処罰する名分づくりに過ぎない」と指摘した上で、「医師を悪魔化し、魔女狩りする政府の姿勢が少しも変わっていない」と遺憾を表明した。
また、「政府が国民と患者の生命を大切し、医療システムを正常的な方向に改革する意志があるなら、大学医学部の入学定員拡大と必須医療政策パッケージを廃棄して医療界と誠実な対話を始めるべき」と強調した。
政府は今月6日、医師不足の解消に向け、大学医学部の入学定員を2025学年度の入試から5058人に65.4%増やす方針を発表しているが、医協など医師団体は「医学部教育の質を深刻に落として国民の健康を損ねる結果を招く」などとし強く反発している。