【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のドイツとデンマーク歴訪が延期になったことを巡り、最大野党「共に民主党」は「外交惨事」として攻勢を強めている。
尹大統領は当初、18日から1週間の日程でドイツとデンマークを訪問する方向で調整を進めてきたが、出発予定日の4日前に急きょ延期を発表した。
与党関係者は「(尹大統領が)経済や安全保障など国内懸案に集中する必要性があった」と伝えた。政府の医学部定員増の方針に強く反発している医師団体の集団行動予告、相次ぐ北朝鮮の軍事挑発なども考慮したとされる。今後の歴訪日程は決まっていない。
共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は16日の党最高委員会議で、延期の理由に北朝鮮の挑発問題があったとされることに言及し、「首脳外交を放棄しても良いほど北の挑発の懸念が大きいのか」として、「このような問題が経済に与える影響がどれだけ大きいのか、少し考えても分かる話」と指摘。洪翼杓(ホン・イクピョ)院内代表は「外交欠礼」と批判した。
尹大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏が高級ブランドバッグを受け取ったとされる疑惑が海外メディアでも報じられ、海外訪問に同行している金氏が再びメディアの注目を集める事態を避ける思惑があるとの声もある。鄭清来(チョン・チョンレ)最高委員は「もし金建希夫人を守るため歴訪を取り消したのなら、外交より妻の面子が、国益より妻の利益が大事なのかという国民の厳しい視線を避けられない」と追及した。
歴訪に同行する予定だった財界人らの事情を考慮しなかった無責任な措置との批判も相次いでいる。