韓国がこれまで外交関係のなかったキューバと突然国交を樹立し、両国関係は新たな段階に入った。しかしキューバを訪問・滞在した場合、これが米国入国に影響する可能性がある。キューバ訪問後はノービザでの米国入国が拒否されるからだ。
キューバ行きの航空便が主に発着するメキシコの韓国大使館は昨年7月「米国、キューバ訪問客などに対するESTA(電子渡航認証システム)適用排除」と題された文書を公表し「キューバ訪問後に米国に行った場合、入国が拒否される可能性があるので格別な注意が必要」と呼び掛けた。
韓国大使館は「2021年1月以降、キューバ訪問歴がある場合や、ESTA申請の時点で大韓民国とキューバの複数国籍を保有する(韓国)国民は(ESTAで)米国を訪問する際に入国が拒否される可能性がある」と明らかにした。さらに「キューバは21年1月からテロ支援国家に再指定されたため、米国政府はビザ免除プログラム改定(15年)後、韓国時間の23年7月6日からこの措置を適用している」と説明した。
当時のトランプ政権はキューバをテロ支援国に再指定した。キューバが米国人の逃亡者に隠れ家を提供したことや、コロンビアに対して左翼ゲリラトップの引き渡しを拒否したことなどが再指定の理由だった。韓国大使館は「すでに発給を受けたESTAの有効期間であっても、上記の要件に相当すると確認されればESTAが取り消されることもある」としてキューバ訪問記録がある場合はビザ申請時に面接を受けて申請を行うよう呼びかけている。
実際にメキシコに滞在しながら仕事や旅行などさまざまな理由でキューバを訪問した韓国の一般人や駐在員はほぼ例外なくESTA取り消しの通告を受けているという。たとえキューバとの国交樹立後であってもキューバを訪問した場合は同じ措置が適用されるようだ。
韓国外交部(省に相当)は「2021年以降、キューバを訪問しあるいは韓国とキューバの複数国籍を持つ者は米国訪問の際に米国のビザを受けねばならない」「これは米国の主権に属する」と説明した。現在キューバには40人以上の韓国人が居住しているという。
パク・サンギ記者