【光州聯合ニュース】韓国人の徴用被害者11人の遺族15人が日本の三菱重工業に損害賠償を求めた裁判で、光州地裁は15日、被害者に対する1人当たり1億ウォン(約1130万円)の慰謝料支払いを命じた。
原告側は被害者11人が三菱重工業の名古屋航空機製作所などで働かされたとして、2019年に1人当たり1億ウォンの賠償を請求する集団訴訟を起こした。当時は被害者1人が存命だったが、被告への訴状の送達が1年ほどずれこむなどする間に亡くなった。
原告側にとって、被害事実を証明する資料が十分でなかったことも大きな困難だった。被害者が全員死亡となった上、生前も徴用の被害を話したがらなかったためだ。
こうした厳しい状況でも勝訴の判決が出された。被害者遺族の相続割合により、原告1人当たりの賠償額は1900万~1億ウォンとなる。
判決後、原告側の記者会見で遺族の一人は「父は強制動員されてけがを負い、帰国後はずいぶん苦労した」とし、「被害事実を考えると口惜しく、日本側の謝罪が欲しかったのに聞けず、残念だ」と語った。
徴用被害者の賠償請求権が初めて認定されて以降、別の被害者による賠償請求訴訟が相次ぎ、これらは「2次訴訟」と呼ばれている。
徴用被害者らを支援する市民団体「日帝強制動員市民の集まり」と「民主社会のための弁護士の集まり」の光州・全羅南道支部は19~20年に、計87人の被害者・遺族を原告に、日本企業11社を相手取った集団訴訟に乗り出した。先月も光州地裁で被害者と遺族の4人の原告が一部勝訴の判決を言い渡されたが、三菱重工業側は控訴した。