「サンキュー、アーム」 孫正義氏の資産、今年に入り5兆ウォン増加

「サンキュー、アーム」 孫正義氏の資産、今年に入り5兆ウォン増加

 ソフトバンクグループの孫正義会長の資産が今年に入って38億ドル(約5720億円)増えたことが分かった。ブルームバーグ通信が13日(現地時間)、報じた。90%の株式を保有する英国の半導体設計企業アームの株価が急騰したからだ。

【図】4四半期連続赤字のソフトバンクと代表的な投資失敗例

 同通信によると、孫会長の資産は13日現在151億ドルで、昨年末(113億ドル)から大幅に増加。資産増加ペースは、ブルームバーグによる世界の富豪500人の中で上位30位に入る。

 資産が増加したのはアームの株価が急騰した影響が大きい。アームの株価は、昨年ニューヨーク市場に上場した際の新規株式公開価格51ドルから現在までに192%上昇。これに伴いソフトバンクGの株価も過去3年での最高値に迫る勢いだ。アームの株価は特に、予想を上回る業績見通しを発表したことで三日間で株価が90%上昇した。

 これに関連し、SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは「アームは株価が急騰し過熱気味に見えるかもしれないが、今後堅調な収益成長が裏付けられれば決しておかしな価格ではない」と述べた。

 アームは半導体設計図(アーキテクチャ)を作成してサムスン電子やクアルコムなど世界の半導体企業に販売している。260社以上の企業がアームの半導体設計を基に独自の製品を製造する。スマートフォンの頭脳と呼ばれるモバイルAP(アプリケーション・プロセッサ)半導体市場で、アームの影響力は圧倒的だ。世界の99%以上のスマートフォンAPがアームの設計を基にしている。

 アームは2022年末基準で、世界の車載半導体市場でも41%、クラウドコンピューティング用半導体市場でも10%のシェアを保有。アームの設計図がなければ新たな半導体を設計するのは事実上不可能というレベルだ。

 ソフトバンクGの株価は現段階では純資産価値に比べるとかなり割安な水準だ。ソフトバンクGの主要な資産であるビジョン・ファンドがコロナ禍を機に低迷し、依然として損失に苦しんでいるからだ。ビジョン・ファンドは昨年、20兆ウォン(約2兆2000億円)以上の巨額を投じた主力投資先ウィーワークの破産で危機に陥った。

イ・ヨンソン記者

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