【ソウル聯合ニュース】サッカー韓国代表がアジア・カップ準決勝で敗退し、クリンスマン監督の更迭を求める声が高まる中、英日刊紙「ザ・サン」は14日、韓国代表メンバーの間に深刻な不協和音が生じていたことを示す内容を報じた。
同紙の報道や聯合ニュースの取材によると、事件はヨルダン戦直前の5日(現地時間)の夕食時間に起きた。試合前日にメンバー全員で食事をするのは「ワンチーム」であることを確認する特別な意味を持つが、李康仁(イ・ガンイン、パリ・サンジェルマン)や薛英佑(ソル・ヨンウ、蔚山)、チョン・ウヨン(シュトゥットガルト)ら若手選手は夕食を先に食べ終え、卓球をしたという。これを主将の孫興ミン(ソン・フンミン、トットナム)が注意したが、反発した李ともみ合いになり、孫は指を脱臼した。
その後、ベテラン選手らがクリンスマン監督のもとを訪れ、李をヨルダン戦から外すよう要請した。しかし、監督は韓国代表が昨年下半期に5連勝を達成するのに中心的役割を果たした李を外さなかった。
昨年後半から若手とベテランの間には溝が広がっていたが、今回の事件をきっかけに双方の感情が爆発したものとみられる。
このような中でキックオフを迎えたヨルダン戦で、孫と李はグループリーグ3試合、トーナメント2試合と同様に90分間別々にプレーした。
試合終了後、孫は「私が今後代表になれるか考えてみなければならない」として「監督が私(の起用)をこれ以上考えない可能性もあり、今後のことはよくわからない」と述べた。今回の「卓球事件」と李を起用し続けたクリンスマン監督の選択から、孫がこのように話した文脈を理解することができる。
ただ、韓国代表内部のあつれきは孫と李の間だけにあったわけではないようだ。大会中、グループを組んで練習する際も選手らは年齢の近いグループに分かれ、1次リーグ第1戦から最後のヨルダン戦まで各グループのメンバーにはほとんど変化がなかった。
年齢だけでなく、海外組と国内組の間にも対立があったとみられる。昨年11月、中国で開催された2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選を終えた後、孫や金ミン哉(キム・ミンジェ、バイエルン・ミュンヘン)、黄喜燦(ファン・ヒチャン、ウルバーハンプトン)、李ら欧州で活躍する選手らはチャーター機で韓国に帰国した。遠征日程が終わっていないにもかかわらず「個人プレー」に走った形で、韓国代表や大韓サッカー協会が許可していたとはいえ、国内組の選手にとっては不公平感が否めない行動だった。
過去に韓国代表を率いたある指導者は「国内組の選手はプライドが傷つかざるを得ない」として、指導者が調整すべきだったと指摘した。
「戦術不在」と批判されるなか、辞任であれ更迭であれ韓国代表と監督の決別は避けられないとみられる。大韓サッカー協会は15日、アジア杯の成果を評価する戦力強化委員会を開き、鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長をはじめとする大韓サッカー協会の幹部らは委員会の評価を参考に監督の進退を最終決定する。
仮に新監督体制が発足しても、韓国代表は選手間の対立の火種が残った状態で3月のAマッチ期間(18~26日)を迎えることになる。
韓国代表は3月、タイを相手にW杯アジア2次予選の3、4回戦に臨む。