金星煥(キム・ソンファン)前韓国大統領室国家安保室長は12日、北朝鮮の核の脅威に対処するため設置された韓米核協議グループ(NCG)に日本が参加する問題について「韓国は開かれている」と述べ、日本のNCG参加を巡り日本側と意見交換したことを明らかにした。
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金星煥元室長は12日にワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)主催のフォーラムに参加し、上記の質問に「日本の出方にかかっている」と述べた。金元室長は安保室長だった当時、日本側とこの問題で意見交換した事実も認めた上で「NCGは万一の事態に核兵器をどう使うかに関するもので、これは日本にとって非常にセンシティブ(微妙)な問題だ」と説明した。NCGは昨年4月の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領訪米の際に発表されたワシントン宣言から始まった。米国の拡張抑止(核の傘)の実効性を高めるため韓国と米国は先月NCGの第2回会合を行い、今年8月に予定されている韓米合同軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」に「核作戦シナリオ」を含めることで合意した。
韓米両国の政府高官らは「トランプ前大統領が再び当選した場合でも、韓米日3カ国協力は持続する可能性が高い」と予想しているようだ。ソン・キム元米国務省対北特別代表は「現実的に韓国と日本は米国の観点とは関係なくいずれも非常に重要な国だ。韓日両国の地位と力、影響力は今も高まっている」「韓米日3カ国がより多くの費用を分担し、より多くの挑戦に共に対処することがどう考えても自然だ」との見方を示した。
ソン・キム氏は「今後米国の立場がどうなるか確認する必要はあるが、11月(米国大統領選挙)に何が起こったとしても、日本と韓国は世界の舞台でより積極的な役割を果たせると予想できる」とした上で「韓米日協力を制度化してこそ、各国の選挙による影響を抑えられる」「3カ国の政府はそれぞれの選挙でどのような結果になっても、協力を続けられるよう制度化することに大きな関心があると考えている」などと述べた。
北朝鮮は最近挑発の動きを強めているが、フォーラムの参加者らは北朝鮮が実際に戦争を準備しているとは考えていないようだ。ソン・キム氏は「北朝鮮の戦略的計算は変わっていない」「先日米国の一部専門家が指摘した通り、北朝鮮は戦争という戦略的決定はしていない」との見方を示した。ソン・キム氏はさらに「北朝鮮が緊張を高める理由は、バイデン政権の対北朝鮮政策が失敗したとの認識を広め、米国の大統領選挙で自分たちの望む候補者を当選させたい意図があるからだ」「北朝鮮はロシアから偵察衛星に必要な光学技術、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の大気圏再突入技術、原子力潜水艦技術などを得たいようだが、これら先端技術の提供はレッドラインであり、ロシアがこのラインを超えることはないだろう」と予想した。
金星煥元室長も「北朝鮮の手法に根本的な変化はない。韓国との戦争は深刻な失敗につながることを北朝鮮も理解しているので、戦争という決定は下していないだろう」との見方を示した。金元室長はさらに「北朝鮮は引き続き大量破壊兵器(WMD)を開発しているが、ロシア以外の他国との外交には関心がないようだ」「(北朝鮮との対話が実現する可能性について)楽観視したいが、実際はそうではない」などとも指摘した。
ワシントン=イ・ミンソク特派員