ケガを理由に香港で親善試合に出場しなかったサッカー界の世界的スター、リオネル・メッシ(36)=インテル・マイアミ=が日本でプレーしたことについて、中国国営メディアが「この件には政治的意図があるのかもしれない」と主張した。
【写真】メッシ欠場、怒って宣伝パネルのメッシの頭を蹴飛ばすファン
中国国営メディア「グローバル・タイムズ」は7日午前0時ごろ、電子版の論評で、香港で行われた親善試合にメッシが欠場したことについて、「メッシと所属チームのインテル・マイアミの釈明は説得力がなく、その背後にある本当の理由に対してさまざまな推測がある」と述べた。
さらに、「その一つは彼らの行動が政治的意図を持っているというものだ。香港がこの試合を通じて経済的復興を図るにあたり、外国勢力が故意にこの件(メッシの欠場)で香港を困らせようとしたということだ」「状況の展開から見て、このような疑惑の可能性は排除できない」と強調した。
また、グローバル・タイムズは「一部の西側メディアが今回の機会を利用して香港を誹謗(ひぼう)しようとしたという点も指摘しなければならない。彼らは今回の件が香港の国際的イメージと評判に否定的影響を及ぼしたと主張した」「これはとんでもない話だ。 誰かが困るなら、それはメッシ、インテル・マイアミ、タトラー(親善試合の主催企業)だ」と指摘した。
そして、香港では欠場したメッシが三日後の7日、日本で行われた親善試合では約30分間プレーしたことを指摘し、「差別待遇に対する疑惑もある」としている。
グローバル・タイムズは「インテル・マイアミの今回のプレシーズン親善試合6試合のうち、メッシが欠場した試合は香港のただ一度だけだ。以前もメッシとインテル・マイアミの差別待遇に対する疑惑の声があった」「今回の親善試合での状況は、このようなメッシ自身とインテル・マイアミの真摯(しんし)さに対する疑惑と推測を増幅させた」とも書いている。
その上で、「メッシ欠場に対する香港政府とファンの失望は十分に理解できる。今回の件はスポーツの領域をはるかに超えている。メッシも選ばれているアルゼンチン代表チームは3月に中国で親善試合をする予定だ。メッシがそれ以前に合理的な釈明をすることを望む」と強調した。
メッシは4日、香港で行われた香港ベスト11チームとのプレシーズン親善試合でベンチ入りしていた。香港のファンは後半戦の中盤以降、「メッシ出てこい!」「カネ返せ」とやじを飛ばした。親善試合の主催企業であるタトラーは、結局1600万香港ドル(約3億円)にのぼる香港政府支援金の申請を撤回すると発表した。香港消費者委員会にはこの試合の払い戻しを要求する消費者の苦情が約600件あった。
インテル・マイアミのマルティーノ監督は4日の試合後のインタビューで、「メッシは内転筋が、ルイス・スアレスは膝が痛くて欠場した」と説明した。メッシは6日、東京で行われた記者会見で「香港でプレーできなかったのは本当に運が悪かったためだった」「違和感がずっとあって走りにくかった」と釈明した。
チョン・ミンハ記者