しかし、「認知症を患っているならまだしも、そうでないとすれば、親を老人ホームに送るというのは子どもの立場からして難しい」「気がしっかりしている高齢者は老人ホームに送られると、子どもたちに捨てられたと思って寂しがる。答えのない問題だ」「逆の立場になって考えてみれば、実家の親を老人ホームに送りたいだろうか。本人の親ならどうするかをよく考えてから、しゅうとめについて決めるべき」などの意見も見られた。
「しゅうとめと近い家に引っ越すが、ヘルパーを探してお世話をお願いし、夫が随時訪れるようにするのも一つの手だ」「しゅうとめを昼間保護センターに送るのはどうか」などの提案もあった。
■高齢者はいつ、どんなとき、老人ホームに入所するのか
老人ホームに入所する年齢はどのくらいで、老人ホームへの入所前、体が不自由な状態での家庭生活は果たして可能なのか。米国の研究事例を見てみると、老人ホームに長期入所する高齢者の平均年齢は現在のところ84歳で、老人ホームへの入所に先立ち高齢者の深刻な障害により家族への依存度が増していくケースが数カ月間続くことが分かった。
米コロラド大学アンシュッツ・メディカル・キャンパス老人医学科で准教授を務めるケネス・ラム博士が行った研究によると、老人ホームに入所する人々はすでに深刻な障害を患っているケースが一般的で、ほとんどの場合、少なくとも1カ月以上にわたって週に約27時間のケアを受けていることが分かった。深刻な障害とは、服を着ること、入浴すること、家の中で移動することなど、日常生活ですでに誰かの助けを必要としている場合をいう。
老人ホームに入所する前の数カ月間、または数年間、多くの家族構成員が高齢者の世話をしながら深刻な障害に対処しなければならない上、老人ホームへの入所は高齢者の障害の度合いがある程度進んで以降に進められる傾向にあることが分かった。これは、老人ホームに入ると、どんなことが起こるか分からないということに対する恐怖心と、費用に対する負担が大きく作用していることが分かった。
イ・ヘジン記者