サムスントップの無罪判決「納得しづらい」 検察が控訴の方針示唆

【ソウル聯合ニュース】韓国検察は7日、サムスングループの経営権継承を目的にグループ傘下企業の不当な合併を指示・承認したとして資本市場法違反などの罪に問われた同グループ経営トップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長が一審で無罪判決を言い渡されたことを不服として控訴する方針を示唆した。

 ソウル中央地検の関係者はこの日、一審判決について「検察の主張を全く認めず、弁護側の一方的な主張を採択したのではないかと思う」として「納得しづらい部分がある」と述べた。

 また、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の友人の崔順実(チェ・スンシル)氏らが関わった国政介入事件の裁判で、グループ傘下の第一毛織とサムスン物産の合併は李氏の支配権強化という目的を持って組織的に行われたとの判断を示した2019年の大法院(最高裁)判決が確定しているにもかかわらず、今回の判決で無罪が言い渡されたことについても「事実関係の判断が違うのではないか」と主張した。

 李氏は15年に第一毛織とサムスン物産の合併にあたり、最小コストでのグループ経営権の安定的な継承とグループに対する支配力強化のため、未来戦略室が主導した不正取引や相場操縦、会計不正などに関与したとして、20年9月に起訴された。

 これに対し一審でソウル中央地裁は、大法院判決では李氏の支配権強化を違法・不当と見なしてはいないとして、継承作業の過程自体が法に反するとはいえないと判断した。

 検察はこのほか、第一毛織の子会社だったサムスンバイオロジクスの粉飾会計疑惑を巡り、19年に行った家宅捜索での押収物について裁判所が証拠能力を認めなかったことも納得できないとの立場を示し、裁判所の主張を検討した上で控訴するかどうかを決めると明らかにした。

 控訴期限は13日まで。

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