「韓国法務部(省に相当)が三・一節に合わせて、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の義母、チェ・ウンスン受刑者の仮釈放を推進している」というMBC放送の報道に関連して、MBCの大株主である放送文化振興会(放文振)理事が6日、「MBCは最低限の事実確認をして報じているか疑問」と批判した。
キム・ビョンチョル、チ・ソンウ、チャ・ギファン各理事は6日、声明を通して「MBC取材チームに仮釈放手続きについての理解があったのか、言及した政府関係者がその仮釈放に関与できる地位にいる者かどうか検討をしたのか、記事が事実かどうかに関するデスク機能は作動しているのかどうかについて、深刻な懸念を提起する」とした。
先にMBCは今月5日、『ニュースデスク』を通して「尹大統領の義母、チェ・ウンスン受刑者が三・一節の仮釈放対象者名簿に含まれることになった」と報じた。「政府関係者」の話を引用し「チェ氏は高齢であることに加えて持病を訴えており、初犯という点、また収監生活中に問題を起こさなかった模範囚だった点などを考慮した」と、仮釈放決定の理由も伝えた。
当該報道が行われた直後、法務部はホームページを通して「MBCの報道は全く事実ではない」とし「大統領の義母は仮釈放を申請した事実もなく、法務部は一切、仮釈放推進を検討したことはない」と反論した。MBCは、法務部の発表があった後、特に立場を表明していない。
これに関して放文振の理事らは「最小限の事実確認もなく、尹錫悦大統領の義母、チェ・ウンスン受刑者の仮釈放のニュースを報じ、国民の指弾を浴びている」と批判した。
また理事らは、MBCが2020年4月1日に起こした「チェ・ギョンファン元副首相のシルラジェン65億ウォン(現在のレートで約7億3000万円)投資」誤報にも言及した。誤報を出した記者が関連裁判に出席して「報道は困難と思ったが、上から『報道しろ』と言われた」という趣旨の証言を行った事実に触れ「チェ・ウンスン受刑者仮釈放報道も、MBC内部のこうしたファクトチェックシステムが崩壊したことで発生したものではないかと振り返ってみるべきだろう」と指摘した。
理事らは「MBCの報道がこうした形で続くのであれば、公正性・客観性に対する国民の信頼を完全に破壊する」とし「公営放送らしく、バランス感覚を持ち、事実確認を行った後に報じるべき。最小限のバランス感覚も、最小限の事実確認もない報道が、言論の自由を盾にして公営放送で登場してはならない」と断じた。
尹大統領の義母チェ氏は、通帳の残高証明書を偽造して借名で土地を買った罪に問われ、昨年7月に控訴審で懲役1年の言い渡しを受け、法廷拘束された。判決は同年11月に確定した。ソウル東部刑務所で服役中だというチェ氏の満期出所は今年7月だ。
キム・ミョンジン記者